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活動形態:演劇ワークショップB
活動日:2003年5月14日(水) 13:00−15:00
会場:新宿村7スタジオ
記録者:M.FUJII
最初のメニューは、なまった私の身体を叩き直すものだった。
・各自ストレッチ、その後腹肉腹肉!! 脚をうかせて曲げ伸ばししながら数
を数える。
・脚を垂直にし、左右へ倒しながら「カサンドラ」テクスト発語。皆あまり覚えて
おらず(はずかしい…)、林氏のはからいにより、分からなくなったら頭に戻っ
て良い事になった。各自で息使い、間、スピードを工夫しながら腹肉。「時々の
どへの負担を感じるのですが」と質問すると、「のどの周りに力が入っている
からだ。意識を腹肉に集中して、余計なところに力が入らないように」とのこ
と。その言葉を参考に注意して試みると、さっきより身体の使い方(?)が分か
るようになり嬉しかった。
・壁に肩と踵をつけ、腰を落とし、股割をして「カサンドラ」テクスト発語。息に
余裕を持たせず、「〜私、アポロー!」と、「アポロ」をのばすように言われる。
その後、その息使いを利用し、「大地の〜」と入っていく。「アポロ」の時に、割
っている足をさらに割り、身体をいじめ、その時の痛みや息の苦しさ、精神状
態で声の出方が大きく変化!これはやっていて非常に面白い。繰り返しやっ
てゆきたい稽古だ。
・ファリファリ
やっぱり大好き。難しいが、少しづつ固く結ばれたひもがはずされてゆくのが
日に日に分かる。身体の中の気の動きを感じて…ファリファリの基本運動。ス
ローは神経を指先まで集中させて。フォルムチェンジ、基本テクスト皆で何度
か繰り返し、しばらくすると一人でその場を支えるものに。皆は一人の声をう
けてゆっくり動く。楽しい。このひとときが楽しい。でもまだ未発達な私の身体
と精神。もっともっと身体をいじめてゆくべきだ。根岸さんが2回基本テクストを
やったが、色々変化があって「身体の中」から何かが溢れているようだ。「個
性が出る」と林さんはおっしゃった。私の「個性」が出てくるのはいつになる事
やら…。
・休憩
・ファリファリ・サークル
始めは5人でやり、その後6人で。張り詰めた空気の中、皆がサークルをす
る。一人で空間を支えるのが多く見うけられた。身体を抑制して、いじめて。空
間を支えるというのはとても大変な事だと思う。入る間や、入る形、声の出し
方、周りを見る力が必要になってゆく。私にはまだまだそれらが足りない。す
ぐ楽しようと身体が自然に動く。もっと「いじめる事」と「見る力」をつけてゆきた
い。以上。
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活動形態:演劇ワークショップB
活動日:2003年5月14日(水) 13:00−15:00
会場:新宿村7スタジオ
記録者:Y.NISHI
◎稽古内容
・まずは屈伸、伸脚など、ストレッチから。首、肩を廻し、軽くほぐす。
・スクワットの体勢で「シ」の破裂音。だんだん早くしていき、一旦止めて長く。
同じ事を「ア」の音でもやる。
・スクワットの発声をあ〜ぱ行まで。その後、速いテンポでランニング発声。こ
ちらもあ〜ぱ行まで。
・「カサンドラ」テクストをスクワットの姿勢で一回群読。続いて仰向けになり、
足を九十度に上げ、左右に倒しながら「カサンドラ」テクストの発語。足は地面
につけないようにし、倒す角度や早さは自分で組み立てていく。息をつめ、い
ろいろな角度、早さで自分に仕掛ける。四回ほどやり、次は壁にかかと、尻、
肩を付け、足を肩幅より多めに開き、腰を落とした姿勢で「カサンドラ」テクスト
の発語。一行目の最後の「アポロ!」の語尾を伸ばし、その時に膝を壁に付
けるつもりで思い切り開く。補助のついている人は逆に補助に反発するように
力を入れる。ここで抑制をかけ、息を詰めて二行目にはいる。二行目は一行
目で息を詰めた力を爆発させるように、とにかく凄まじく。内面からの変化によ
る力で表現。何度かやり、スクワットの姿勢で各々一回「カサンドラ」テクストの
発語をやり、次は二班に分かれて「すばらしいわ」方式で「カサンドラ」テクスト
の発語をやる。その場での動きを交え、自分に仕掛けながら周りを受けて。
二回やって休憩。
●お話
日本語は特殊な言語で、必ず子音の後ろに母音が来る。だから意味を変え
ずに長母音化が可能になる。欧米ではこうはいかず、大抵意味合いが変わっ
てしまう。この違いは言語文化に求められていたものの違いのようなもので、
欧米諸国は理論、理屈、いわゆるロジックとしての言語。日本は逆に音として
の言語、例えば声によって周囲の空気を変える、それによって「場」を作る、と
いったこともしばしば見受けられる。普段から身体、身体と言っているが、本
当は言葉で、古来から「言霊」というものがあるように、言葉にはそれだけの
力が宿っている。能などはその最たる例である。能では死人が出てくるが、こ
の死人が出てくる「場」を創っているのは「声」である。表面的な「言葉」だけで
はなく、その内側に想い、心があり、イキによっても感じ方、捕らえ方を変えら
れる。歌舞伎などもそうで、勧進帳にしても、お互いの掛け合いの中にも音の
組み立てのできる、それによって力強さなども変わってくる、といったことがあ
る。「音」を大切にし、深め、より力のある音を出すために抑制したり仕掛けた
りする。頑張りましょう。
○稽古再開
・スクワットの姿勢で基本テクスト。八割くらいの強さで。体勢を変え、両膝をつ
いて左手を後ろにつき、右手を上げて腰を入れた状態で基本テクスト。
・ファリファリの基本運動。スローから止めて、五拍で形を変え、基本テクスト
発語。再びファリファリの基本運動。スローから、今度は五回の鋭いチェンジ
から基本テクスト発語。三回チェンジで基本テクストの発語。今度は一人が基
本テクストの発語をし、皆は受け。一人で場を支えられるように意識して、テン
ションを上げて、どんどん仕掛けながら。
・ファリファリ・サークル。基本的に一人で場を支えるつもりで。前の人が持た
ないと思った時、ここだと思った時に入る。入ったら一人で支えるつもりで、次
の人が入ってきたら、場の状況に対応して受けるなり出るなりする。二回目の
最後に根岸さんが抑えながら『サロメ』の台詞で入り、林さんが止めるまでや
って、終了。
◎感想
今日は「カサンドラ」テクスト、「サロメ」テクストと、声を出すことを中心にやっ
た。といっても勿論身体も動かすわけで、結構きつい体勢が多かった。「サロ
メ」を両膝をついて左手後ろ、右手は上の体勢でやった時は、何度か左の背
筋がつったりしたし。「カサンドラ」のほうは、まだなんとなく書かれた台詞のイ
メージが抜けておらず、組み立てなども中途半端になっている気がします。も
っと崩しにかからないと。あと、ファリファリ・サークルをやった時に、林さんか
ら、機転をもっときかせて息をつめ、チェンジで仕掛けていけ、とアドバイスを
もらい、思いっきり意識して二回目に入った時に、チェンジの後の声の出方が
あまりにも違って、一瞬自分でも戸惑ってしまった。今までは多少変わっても
自分の予想の範囲内だったので…。今まではあくまで「型の中」で、今回初め
て「型破り」を垣間見たのかな、と思い、これからはもっと積極的に自分に仕
掛けていこうと思った。あと、今日の話の中に出てきた、『外の身体と内の身
体』というのは出来るようになったら本当にすごいだろうなと思った。ので、こ
れからもより一層、精進せねば、です。
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活動形態:演劇ワークショップC
活動日:2003年5月14日(水) 19:00−21:00
会場:新宿村7スタジオ
記録者:T.NAKAUCHI
○本日のメニュー
1、お話…今後の活動の予定について。
2、ストレッチ
3、発声
4、テクスト「カサンドラ」を使っての稽古
●円になっての群読
●横になって足を90度にして
●2組になり、壁に背中をつけてまた割りの姿勢で
●円になって、個人でまた割りの姿勢で
●2組になり、サークル
5、休憩
6、お話…言葉について
7、「サロメ」テクストを使っての稽古
●また割りの姿勢で8割の力で
●膝をつき身体を後ろにそり、片手を床に、片手を上に上げた状態で
●ファリファリ基本運動→チェンジ→基本テクスト発語
●人の「サロメ」テクスト発語を聞いて動く
●ファリファリ・サークル
8、お話…力のある役者さんについて
○詳しい内容
1、お話…韓国で夏に実施される林の知人が作った「演劇村」での実験演劇
フェスティバル。7,8月で1000!近い演劇が野外・室内で上演される。昨
日、「日韓演劇交流センター」の委員会に行ったとき、その話があった。日本
からも参加する団体はないかとのオファー。「創作・実験工房」では、「上演」
(制作・興行)を考えずに純粋に作品創りを行うという方針だが、こういうフェス
ティバルに持っていってもいいかなあ、でも今年は間に合わないから、来年持
っていってもいいかも、というお話(ジョーク交えた)でした。
3、発声…腹筋を使っての「シ」と「ア」の発声。徐々に速さを上げて、最後に
息を詰めて長く発声し、息を使い切る。その後、また割り発声、ランニング発
声を行う。(それぞれ「アエイウエオアオ」でア〜パ行まで)
4、テクスト「カサンドラ」を使っての稽古…全員で円になり、指定されたセリフ
を郡読する。まだセリフの入りが甘いため、強さがまちまちになってしまい、途
中でストップした。
次に横になって足を90度に起こし、個人のスピードで左右床につけずに足を
倒しながら「カサンドラ」のセリフを言った。早く倒したり、ゆっくり戻したりして、
力の入り方の違い、セリフの組み立て方、息の詰め方などに注意しながら行
う。単なる腹筋運動ではないので、セリフを大切にして行うことが重要。
今度は2組にわかれ、片方が壁に背中をつけまた割りの姿勢になる。そし
て、セリフを言いポイントとなるところでもう片方の人に両膝を壁に押し付ける
つもりで押してもらう。1人でやっている場合は、壁に両膝を自分で近づけるよ
うにする。この時、誰かに押してもらっている人は1人でやっているときとは逆
に、押してもらっている力に反発するように壁から離れるようにする。その押し
合いで力が生まれ、自然とセリフにも必死さが出てくる。一回ごとに足がプル
プルしているのが解る。ほかの人を聞いていても押されている時とそうでない
時は、力のこもり方に違いがあった。
壁から離れ、円になり全員がまた割り姿勢でセリフを言った。個人個人がセリ
フの組み立て、息の使い方に注意しながら行った。ただなんとなく言うのでは
なく、自分で組み立てていかないと、この「カサンドラ」の言葉に負けてしまい、
聞いていてつまらないものになってしまう。
その後、2組に分かれてファリファリ・サークルを行った。自分がセリフを言っ
た後も気を抜かずにほかの人のセリフを自分の身体に通す。なので、ものす
ごく集中する。誰かのセリフで流れが止まってしまうと急に身体の緊張感が解
けていく感じがした。前の人の流れでセリフを言ったり、前の流れを一気に変
えてセリフを言ったり・・・その場での空気が創られていくのが実感できる。間
が悪いとすぐに崩れてしまう。終わりの合図で一気に力が抜けた。
6、お話…今回は言葉についてだった。外国語の場合(英語等)はある言葉
の発音を伸ばしてしまうとまったく別の意味になってしまう。しかし、日本語は
能を観ていてもわかるが、伸ばしても意味が変わらない。これは日本語が音
の言葉だからで、昔から言葉には力があると言われている。日本では言霊
(ことだま)というものも信じられている。芝居でもよく「身体が基本だよ。身体
が大事だよ」というが、まずは「言葉」が大事。息の使い方や、組み立て方で
その言葉の印象も変わってくる。外国の人も日本語は面白いと言っている。
セリフでも何でも、言葉を組み立てていこう、というお話でした。
7、「サロメ」テクストを使っての稽古…鏡のほうを向きまた割りの姿勢になり、
全員が8割の力でセリフを言う。腹を使い、姿勢に気を付けて息の使い方に
注意しながら行う。
次に膝をつき身体を後ろにそり、片手を床に、片手を上に上げた状態(ダンス
のきめのポーズのような格好)で、頭は後ろに倒しセリフを言った。この格好
だけでもかなりきつい。身体がつった人もいた。変なところに力が入りそうにな
るが、色々探りながらセリフを言った。
蛍光灯を消しライトの中でのファリファリ。まずは5拍で身体の形をチェンジし
てテクスト発語。息の使い方に注意しながら。次にファリファリの基本運動から
5回身体の形をチェンジしてからテクスト発語。上辺ではなく、中から変化させ
ていく。声のバリエーションにも変化を加えていく。そして、ファリファリ基本運
動から3回チェンジで発語。やっているうちに段々と自分が壊れていく気がし
た。最後のほうは、身体もきつい、呼吸も苦しい・・・なのに気持ちよくなってし
まうという不思議な状態になった。
今度は1人が言っているセリフを聞き、他の人はそれを身体に通して反応して
いった。力強く言ったり、ささやくように言ったり、泣きそうだったり、恐怖だっ
たり、色々な声にそれぞれが反応していく。聞こえてくる声に集中し、身体を動
かした。言葉のエネルギーが足りないと、相手に影響を与えることができない
し、受ける側も集中して意識しないと相手のエネルギーを感じ取れないと思っ
た。
その後何人か呼ばれた人でファリファリ・サークルを行った。他の人は周りで
座ってみていた。その場、その瞬間に合った場所に入り、セリフを言う。単調
にならないよう、声のバリエーションも変化させながら、前の人がその場をもた
せられないと思ったら、すぐに入っていき、変化を加える。入っていくときも、そ
の場から出て行くときも、場を壊さないように。空気の流れを感じ取ることに集
中した。
今日のワークショップは、とても緊張したが、それ以上に楽しかった。その理
由のひとつは多分基本テクスト発語によるファリファリ・サークルをはじめてや
れたからだと思う。今まで周りで見ていたときとは違う感覚を感じた。あと、フ
ァリファリ・サークルの一番最後に根岸さんが『サロメ』の別のセリフを言って
いるのを見たとき、ずっと見ていたいと思った。自分も1人でその場をもたせら
れるぐらいになれるよう、これからも精進していかねばと思った。
ファリファリ・サークルは毎回全く別のものが生まれる。同じものは二度とでき
ない。その瞬間を大事にしていくことが大切だと思った。
息をコントロールするのはまだまだできていないので、まずは自分の息の使
い方をつねに感じれるようにしたいと思った。
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活動形態:演劇ワークショップA
活動日:2003年5月15日(木) 19:00−21:00
会場:新宿KC
記録者:K.KUWAHARA
今日のWS中、課題となったのは『定型な身体と不定型な身体』。不定型な身
体の方がエネルギーが生まれやすく、そのエネルギーをキープしたまま、定形
の身体(ポーズ)に移行させていくという訓練だった。
上田さんと林さんの会話の中で気になった事がひとつ。「ダンスをやっている
娘がいて、見せ方がしみついているから、くずすのが難しい。」「くずしたカタチ
の方が見ていて面白い。」という(ような)会話があったのだが、それを聞きな
がら「歌舞伎」はどうなのだろう?あれは完全な様式美であって、型が決まっ
ているが、相当なエネルギーがあるはずだと思っていた(それを言ったらダン
スだってそうなのだが)。思うに、決まった型も、極めていけばその型をキープ
するためにものすごい負担がかかる。なぜなら日常ではまずありえない姿勢
をとるからだ。【不定型】というのは、日常レベルの身体の使い方から飛び出
し、常に集中力のある状態にある、という事だというのが、僕の解釈だ。
で、実際にやってみると、なんとも難しい。特に外面の集中から内面の集中へ
の意識の移行がスムーズにいかない。林さん曰く「タメが足りないから」という
事。タメを造るという事は、次のニュアンスへの移行をスムーズんするという事
だ。個人的には声を使った方がやりやすい。この時、「決まった型」=慣れた
(楽な)姿勢になってしまうと、エネルギーが発生しなくなる。フラジルノートの
稽古中もよくあったが『やっている風』な姿勢というのが存在する。そういう時
って、僕の場合、顔がしかめっ面になりウデで表現し始める。今日は仮面をつ
けていたので、客席側からはわからないが、そうなっていたと思う。もっともっ
と自己に厳しく、楽をしない回路が必要だ。
仮面で行う長ゼリフも、自分に合った脚本があると思う。
キツくてキツくて、それでも吐き出さなければならない言葉(もちろんキッカケと
して。本当は全てのセリフをさばけなければならない)、それを探してみようと
思う。
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活動形態:演劇ワークショップB
活動日:2003年5月21日(水) 13:00−15:00
会場:OC
記録者:Y.NISHI
◎内容
・まずはいつもどおり屈伸、伸脚などのストレッチから。各自で身体をほぐす。
ある程度ほぐれたら各自で発声も。
・半回転ジャンプからの「カサンドラ」テクスト発語。半回転ジャンプのあと、着
地と同時に形を作る。このとき腰を入れて重心をしっかりとり、ふらつかないよ
うに。身体にも低い体勢、きつい姿勢などで負荷をかけて、抑制。何度か繰り
返し、今度は形を作った後に「カサンドラ」発語。半回転ジャンプとフォルムチ
ェンジによる身体の内圧の変化を使い、いろいろ仕掛け、組み立てながら。テ
ンションは高い位置でキープ。
・足上げ腹筋からの「カサンドラ」テクスト発語。仰向けに寝て、足を90°まで
上げ、左右に倒しながらテクスト発語に入る。足は地面にはつけない。足を倒
す速さや、タイミングによって身体に負荷をかけ、内面に仕掛けていく。これも
組み立てが大切。
・立ち上がって首を廻して発声でのど元に集中した力をほぐす。徐々に大き
く、上体もつかって廻す。腕なども動かして身体全体にエネルギーを分散させ
る。身体で深呼吸する感じで。
●お話
言葉と言うものは身体を使って発せられるもので、結構エネルギーを使う。と
いうことは、身体がしっかりとしていないと、強い言葉は出ない。腰を入れるの
もそのため。
…この先メモがなく(記録を指名されていなくて、三日後に言われたためほと
んど覚えていなくて…)すみません。アイヌの骨格がどうこうという話から、ワー
クショップコンセプトの「い」「う」「ち」の話になっていたと思います。
◎休憩あけて
・F基本旋回運動から基本テクスト発語。左右体重移動から。背骨を柔らかく
使い、身体をほぐしながら。腰のねじりを入れてF基本動作。アクセル・ブレー
キを使い、身体の内部を動かしていく。スロー。身体の内圧が変わる。エネル
ギーが抜けないように意識して。止めて、5回チェンジから基本テクスト発語。
チェンジによって身体の内面に動きを与え、そのエネルギーを使って基本テク
スト発語に入る。テンションは高く。組み立てなども意識して、途中で抜けない
ように。2,3度繰り返し、今度は一人が基本テクスト発語で場のテンションを
支え、残りの人は基本テクスト発語を受けて動く。
これも何人かやる。
・ファリファリ・サークル。数人で輪になり、順番に中に入って基本テクストテク
スト発語。初めのうちはどんどん入ってとにかく場のテンションを高く保つ。入
り方、入るタイミング、ポジション取り、受け、仕掛け、声の出し方、場からの
出方、出るタイミングなど、あらゆることを瞬時に判断、実行する。時間と空間
の構成、組み立て。基本的には一人で場のテンションを支えるつもりで。徐々
に場に残るか否か、順番にとらわれないなど、状況に応じた動きを意識。メン
バー交代など、何度かやって、今日は終了。
○感想
久し振りに半回転ジャンプなどをやって、きついながらも楽しかったです。私事
ですが、最近は精神状態が悪く、今ひとつ稽古に集中できていない自分をよく
見かけます。内面を動かして取り組むところなのに、内面には動かせるもの
が何もない空っぽの感じで、何とかしなければとは思うのですが、原因不明の
ためもどかしいです。基本テクスト発語の時も、林さんに「もっと組み立てを考
えろ」といわれ、ファリファリ・サークルにしても、「そうじゃないだろ」と言われる
ことが多くなった気がします。自分なりに考えてやっているつもりなんですが
…、スランプです。精神的なところから来るスランプなのか、単に壁にぶつか
っているだけなのかもよくわかりません。とりあえず、今までやってきたことを
復習するところから始めたいと思います。ああ、全然今日の感想になっていな
い…。
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活動形態:演劇ワークショップA
活動日:2003年5月22日(木) 19:00−21:00
会場:新宿KC
記録者:K.KUWAHARA
休憩をはさんで「シテ型」のトレーニング。仮面を使用する予定だったが変更
して、壁に向かって立ち、ゆっくりと振り返って歩き出し、二〜三歩進んで、ま
た元に戻る。セリフはその途中で、静かに入る。途中から順不同で、セリフの
切り出しも自由に。
他のものは「見る」側にまわり、途中で交替。
*「演ずる」ものは見る側に向けて、身体(内部)を「開く」。
*三人の「関係」「連携」は考えずに、純粋に「前」(視線の来るほう、「光」の
来るほう)との「個」別の関係で実施。自分を「自立」させる。見られる意識、そ
の内側と外側(見る側との「境界線」を仮面の表面、あるいは身体の表面、と
考える)との間に動作、身体の表面を置く、動かす。
*きわめて「心理的」「深層精神」的な作業である。演技者、表現者にとっての
「個」というのは、外部と内部の関係を自在にコントロールしうる強い意識、が
成立するときに生まれもの。
(*註は林による)
仮面をつける、ということは肉体や精神にどのような影響を及ぼすのであろう
か?
【自分側】
・集中力が増した。
・表情を造らずに身体で表そうとした。
・空間の「空気」を感じやすい。
・高揚感があった。
・安定感があった。
・慎重に声を出した。
【客側】
・ある「雰囲気」が生まれた。(異なる空間の?)
・統一感があった。
・迫力があった。
・(その分)身体のアラがはっきりした。「楽」をしているとすぐわかる。
・声に深みが出た。
仮面のトレーニング中に感じられた事を思うままに並べてみたが、まとめると
「集中力が増した」のではないか、と思う。集中力が増したために、空間の質
が変わり(濃くなり)、「客席」側に与える印象が強くなったのではないか?
では、何故集中力が増したか?おそらく、表情を消す(隠す)事によって、顔の
表情に頼ることができなくなった分、身体に向けるエネルギーが増したのだ。
ある一点を不自由にした事で、より他の部分の集中力を高めたのだろうか。
以前は、仮面というものを安易に使うのが好きではなかった。仮面をつけて何
となく身体表現をしたつもりになるのが嫌だった(実際にそんな公演を何度も
見せられていたし)からだ。
だが、ここ何回かのWSでハッキリした。仮面をつけるということは、サポート
なのだ。プラスαなのだ。あくまで主体となるのは、表現者自体の肉体であ
り、肉体と精神の変化が、空間の質をも変えて行くのだ。
そこで、今日行った壁を使った「シテ型」トレーニングの話になるが、一度、壁
になってからスタートすることによって、集中力の方向を一点に集中させ、仮
面をつけたのと同様の(?)効果を得たように思う。この感覚をいつでも引き
出せるようになれば、舞台での立ち方から違ってくると思う。もちろん、仮面と
いうのはもっと奥が深いのだろうけれど。
「三人が三人とも、様子を見て動くタイプで、いまいち乗り切れなかった」と上
田さん、藤井君(見ている側の)と話した。でも、面白い一瞬は何度かあった。
かえって少人数のほうがやり易いらしい。
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活動形態:演劇ワークショップ
活動日:2003年5月28日(水) 19:00−21:00
会場:新宿村7スタジオ
記録者:N.WAKABAYASHI
配布資料 (1)「サンチョ、パンサ ベルリンを行く」 (2)「すばらしいわ。こわ
いわ」の前後の台詞。
稽古内容
1.声を出す練習 2.「カサンドラ」 3.「サロメ」
1.配布されたプリント「サンチョ、パンサ」の説明の後、声を出す練習が始ま
る。林さんの後に続いて発声練習は歌舞伎十八番「勧進帳」。林さんのアドバ
イスは「息を短く切って、一本調子で声を出すのではなく、息を十分に溜めて
苦しい状態でも声を出しきる。この苦しい、極限のときだけ最も自由が得られ
る。声を出しきることが大切。調子は単調にならず、リズムと速度を変えなが
ら発声する。足は肩幅の倍位にひろげる。膝を軽く曲げって、肩の力を抜い
て、丹田に力をこめる。発声するときは、上体は伸び上がらず、低い姿勢から
声を出し切る。」と指導がある。今日が4回目の練習になる私は、教材の難し
さも手伝って、息がつづかない。声をしぼり出すところまでいかない。
2.続いて「カサンドラ」テクストの発語。壁に踵と尻を付けて、上体を壁から離し
て、腰を中心に前へかがむ。バランスを崩すいっぱいのところまで,上体を前
に出して、そこで止める。その姿勢を維持しながら、「カサンドラ」テクストの発
語。腰を中心に声を出すように指導される。
続いて、あお向けの姿勢で、足を上に上げて、ゆっくり左右に振って、止めた
ところで声を出す。「横隔膜は、不随筋で、運動でも鍛えられない。呼吸での
み鍛えられる。」との指摘がある。なるほど納得。「頭で考えて、身体を動かす
のではなく、身体が覚えている動きに従っていくことが大切で、手の先まで神
経を感じるように」と指導が入る。
私の場合は肝腎の身体が動いてくれない。脱力して身体の動きを自覚するま
で、まだ当分
時間がかかりそう。
3.基本テクスト発語。4人の演技者が、台詞を受けとって、切り込んでつなぐ練
習。
「感情はあてにならない嘘つきで、くさい演技になる。溜めた息を最後まで持
ちこたえて、表現する。」なるほど納得。でも私の場合はそこまで、まだ息がも
たない。できている人の声は、確かに感情表現が豊かになっている。以上
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活動形態:演劇ワークショップ
活動日:2003年5月28日(水) 13:00−15:00
会場: OC
記録者:A.SODA
*三点倒立による発声法。頭と肘で頭を支え倒立。爪先を伸ばした状態の時
に息を吸い、
「クンバク」(止息)、爪先を倒しながらその状態にあった声を吐き出す。
*【ファリファリ基本運動】から基本テクスト発語。8割、8割5分、9割、9割5
分と上げていき、身体をいい状態につくっていく。
*個々で基本テクストのバリエーションを加えた発語。急激な体勢の変化や、
ゆっくり体勢を変化を織りまぜ、台詞を組み立てる。
*【ファリファリ・サークル】
*「カサンドラ」テクスト発語。
感想
三点倒立は一応できるものの、声を発すると一気に身体が不安定になり、形
が崩れる。やはりこれは普段から丹田をきちんと意識できてないことに繋がる
だろう。繰り返しの練習あるのみだ。
今日は初めてカサンドラに挑戦した。先に(ファリファリ・サークル)で皆、テン
ションの高まっていたので初めから勢いはあったと思う。即興的な部分ではサ
ークルと同じだが、一人一人の台詞は短いため基本的には言い切る、サーク
ル内に留まり、体勢の変化により場を作る。根本的な部分ではサークルと同
じでも、場の造り方が大分異なってくる。新感覚で面白いが難しい、しかも今
回はサークルよりも大人数だった。人数が多い分、少々まとまりに欠け、空間
を持て余していたと思った。基本テクストの台詞も、「いける!」 と思ったら入
ってもよいのだが自分的には流れの変化が激しく、入るのが難しかった。
少々強引に一度入ったが満足のいく展開はしなかった。是非また挑戦してみ
たいものだ。
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活動形態:演劇ワークショップA
活動日:2003年5月29日(木) 19:00−21:00
会場:新宿KC
記録者:K.KUWAHARA
前回から引き続き、シテ型(マスク有・無両方)でのセリフ読み。イマイチ、テン
ションが上がらなくて、変化が単調になってしまった。テンションが低いと切り
換えの判断力や決断力(勇気とも言える)がニブくなってしまう。舞台上でそん
な事をしたら、観客が興味をなくす事うけあいである。
前回、仮面についての解釈を書いたが、大分足りない事があったらしい。WS
で使っている仮面の作用とは、内面の自分と外側の自分の意識の境界線を
作る働きをしているという事なのだ。内と外の両方に同時に意識を働かせる
時、意識の集中力があいまいになる事がある。意識中にラインを引く事によっ
て、集中の度合いがよりハッキリする。
「仮面=姿見の鏡」のような作用がおこる、と僕は思った。
自分の客席側からの観え方と、内面の変化を同時に感じ取る。
↑この段階では『観る』か?
そのためのひとつの手段なのだ。と思う。
……ここまで書いて、ふと思ったのだが、この解釈だと、周りに存在する人達
を無視する事にならないだろうか?あれ?どうしよう…。
そうか、さっきまでのは、あくまで視覚の話であって、その先に他の感覚がプ
ラスされてくるのだ。耳で聴いたり肌で感じたり、全身の神経を張りめぐらせる
事が目指す所なのだ。
……ここまでの文章を読み返して、なんか、まとまりがなくなって来たように思
う。もう一度考えて、また書こう。毎週書いていった方が良いかもしれない、僕
の場合。
もうひとつ、気になっている事。林さんの話の中で、「その人の個性ではなく
【個】を見つける」というのがあった。【個】とは何だろう?「個性よりももっと深
い、その人独特(特有?)のもっとゴツゴツしたもの」と言っていたが、何の事
やらサッパリである。(藤井君はとなりでしきりにうなづいていたが。)
バカみたいだが、ニュアンスが、とかではなく、ハッキリと解らない。頭の中の
ピースがカチッとはまらないのだ。(こういうのを、感覚的に解らないというのだ
ろうか…。)この事についても今後考えていこうと思う。
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