演劇ワークショップ2003年度前期−1
*註:稽古場内で「ファリファリ」の愛称で呼称されていた訓練法は、
2007年度より「Fメソッド」と正式命名いたしました。
活動形態:演劇ワークショップ
活動日:2003年4月8日(火) 19:00−21:00
会場:新宿村16スタジオ
記録者:H.TOMINAGA


○稽古内容
いつも通りまず全員で輪になってストレッチからスタート。脱力し上半身をゆっ くり回転させて首、肩、胸、腰、特に背中は意識的に。腕の位置なども意識的 に変えてゆっくりと呼吸しながら各部分がのばされている事を確認しながらや る。

そして3列に並び、鏡に向かい左右体重移動から腰の回転へ。身体に余計な 力が入らないよう脱力しながらフワリフワリとエネルギーを流していく、しかし 支点となる丹田の力は抜かずに。そして合図でスローに。動きに抑制をかけ 体内のエネルギーの密度を濃くする。身体を緊張させるのではなく身体の 隅々、指先までエネルギーを通すイメージ。毎回これをやっていると意識が自 分の中の深い所に落ちていくような感覚(?)がして、好きだ。・・・自分だけだ ろうか?
次にスクワットの状態で基本テクスト発語。林さんの指示で言葉の強さ、速さ を変化させていく。徐々に場に熱気が立ち込めてきた。負けずに頑張ろうとす ると左足に踏ん張りがきかなくなってきた。そろそろ膝の寿命か・・・!?

その後再び腰の回転→スロー。首などに溜まったエネルギーを外へ流してい く。一旦ストップし合図でフォルムチェンジ。形だけの変化ではなく内側から変 化させていく。続いて合図で3度フォルムチェンジ後その勢いでファリファリ・コ ア(Fコア)基本テクスト発語。以前から自分はこれが苦手だ。言葉に強さが乗 らない。思い通りに声が出てこず苛立ちがつのる。日々精進という言葉が身 にしみる。

次に2人組みになってのファリファリ・ベーシック1。お互いの気を受けて動く。 が、自分勝手な動きではいけない。林さん曰くお互いが動くのに「ココだ」とい うタイミングがあるという。なんとなく自分も理解できるのだが、いざやってみる とこれが上手くいかない事が多い。意思の疎通が上手くいかずにお互いに相 手を探ろうとするあまり不自然な動きになってしまっていると感じた。

そして5人組でのファリファリ・サークル。お互いにセリフの勢いや強さを受け 順番にサークルの中に入り基本テクスト発語。それを繰り返して次々に場を 構成して行く。自分は今回初体験でした。感覚が掴めずに何度も指摘をされ 頑張ろうとするも上手くいかない。場に入るタイミング、場所、テンションどれも が甘かった・・・。初体験の戸惑いとあまりの自分の浮き様にパニックになって しまい、周りさえも見えない状態になってしまいました。

正直悔しい。引き出しやセンスの足りなさを痛感。もっと精進しなくては・・・。

今回林さんが「今は首なんていくら落とされてもいい。落とされる度に何度でも 新しい首を付けて来る、そういう意識でやっていかなくてはいけない」という話 をされたのが妙に脳裏に残った。いずれ首が挿げ替えられなくなる時が来る のだ。未熟な自分達がより先へ進むにはこの時期にどれだけ首を落として貰 えるかが重要だ。

活動形態:演劇ワークショップ
活動日:2003年4月15日(火) 19:00−21:00
会場:新宿村7スタジオ
記録者:N.K.


自分にとっては今日が2回目のワークショップの参加になりました。

最初に感じたこと、その場の緊張感など今までの稽古(T学院での稽古)の中 でも、これほど強く感じたことは、あまりありませんでした。


[稽古内容]
まずはストレッチ。ファリファリでは全員に負荷をかける、そのためよくほぐし ておくのだが、特に下半身は重要となるので、足の関節などを屈伸や膝をま わしたりしてほぐしておく。首、肩、腕なども同じようにする。

ファリファリ、ゆったりと基本運動から。首回し、首をゆっくりと回す。(左右どち らからでも可)まわしていて、ひっかかるところは重点的に、特に後ろなど、こ こでは逆三角錐をイメージし、その頂点を徐徐に首から胸、腰とその間、腕な どの位置を様々に動かし、今、一番身体が自然?ほっているポジションをさぐ っていく。「それはその瞬間などで変わっていくもので同じ形にはならないも の」と、常にさぐるべき位置は変わっていく。

ファリファリ・ベーシック1。二人一組で「互いに仕掛けあう」。自分から仕掛け たり、相手から仕掛けてきたのを受ける。そのまま次を待ったり、すぐに自分 から返したりとエネルギーの流れを感じること、そして動く。まずはゆっくりの 移動、この抑制をかけた移動には「二人同時に(早く)動ける瞬間が、ここだと いう時がかならずある。その瞬間を見つけるために集中する。それを本能的 に感じることが大切だ」と、林さんの言葉、まわりのあいているスペースなどを 探し、そこに移動したりと、ものすごく難しい。それらをするためには、もっと感 覚をシャープにし、もっと集中をしないといけないと思う。

鏡に向かい、スクワットで基本テクスト発語。まず7、8割、9割、10割とあげ ていく。全員で揃えたり、各自それぞれセリフを言ったり、そして基本動作、ス ローからチェンジ、チェンジ3回目で基本テクスト発語。「まだ身体の密度がス カスカな人もいる」とのこと。自分はまちがいなくできていないと思い、くやしく 思う。「セリフの言い方をこうだと決めるのではなく、逆に様々な言い方をする ことによって、何千、何万通りの言い方、そして様々な成り立ち方(可能性)が あり、その中でここだと思う位置、セリフの言い方、セリフの入り方を探してい く」など、どれもすぐにはできなそうなので、自分はゆっくりやります。もっともっ と精進していきたいと思います。

活動形態:演劇ワークショップA
活動日:2003年4月17日(木) 19:00−21:00
会場:新宿KC
記録者:H.HIRANO


1]身体(カラダ)の存在;
  まず空間にカラダがある事から成り立つ場に居るという役者の身体の存 在から。

2]人間のタイプはさまざま;
a)自分の状態を客観視できる能力を身に付ける。人間のタイプはさまざま で、色々な人がいるし、個性もそれぞれ違うが、自分の状態は冷静に見つめ られ、柔軟に対応出来る能力が必要。

b)表現者として、自分で何とかしていくが他者からの忠告で自分を知る事も 大切である。

c)日常生活からの脱出。日常では相手と社会で言葉を使い意味や意思を伝 えているだけであるが、表現の場ではその言葉の意味だけから解放して、人 間の個が持つ本来の欲求からの身体の表出を取り戻さなければならない。浅 い表面だけの世界から、別の深いカラダの存在。
 
1]・2]の話は重複する所もあり、役者としてのカラダの存在には、人間学・社 会学・哲学・芸術学等の考えが含まれる。

3]テーマ「壊れる」「かくれる」5分間で表現。私は「壊れる」を担当。カラダの エネルギーや形を「壊したり」「ゆがめたり」しテーマを演じようとまた壊そうと ただ実行。話の中でテーマが与えられて、それをジェスチャーで表してもダメ であるという事だった。「それでは、台本があり作者の作った話を説明する事 と同じである。」その為、役者の創造性・想像性がなくなるので、テーマを演じ るのだが、(壊したり)(裏切ったり)と見る者を裏切り、そして、カラダの深い所 でそのテーマの結び付きを大切に。それと上手にやろう、失敗をさけようと思 わない事も大切だ。

活動形態:演劇ワークショップ
活動日:2003年4月18日(金) 19:00−21:00
会場:新宿TC
記録者:K.IGUCHI


今日も始まりました、W・S。

いつものように各自でストレッチをすませた後、全員で輪になってさらに身体 をほぐしていきます。首をまわしその周辺の緊張をほぐす。それから少しずつ 円錐の頂点を下にさげていき身体が求める部分を伸ばしていく。ある程度身 体がほぐれたら、すり足を使っての移動をしてみる。

まずは左右の移動から半回転、回転する時に腰が浮いてしまわないように注 意する。これが意外と難しい。今まで学生だった私はダンスの授業も受けてい た。ダンスでは回転時に身体をひきあげるという風に私の頭にはインプットさ れていたのデス。身体も。なもんで腰を落したままというのはどうも掴みにく い。それでも、ゼミでの稽古もあってのでしばらくすると身体を慣れてくるもの です。何度か半回転をした後は一回転してみる。この時は半回転以上に意識 しないと腰の高さが山のようになってしまう。こういう時は身体をひきあげてし まわないようにただひたすら自分の中で意識するしかない。

意識して続けていると少しずつできる様になってきた気がするものです。が、 何といっても鏡のない会議室での稽古、実際どうなっているかはわからない… 自分を客観視できる「第三の目」を早く成長されたいものデス。それが終わる とファリファリへ。腰の回転を使って身体をひねります。脇の下に空気がたま る感じで力はほどよく抜きふわふわとした感じ。各自アクセルとブレーキを使 い色々なバリエーションを試します。その後2人組になり互いに受けたり仕掛 けたりしていく。しばらくその場でやりとりした後タイミングをみてゆっくりと移動 してみる。これはものすごい集中力です。

自分が壁をつくらず相手を受けいれることが大切なんだなそうです(って以前 聞いた気がしているのですが…)。そして再び各自ですり足を使った回転をし てみます。さっきより少しスムーズかな?で、さっきの2人組に戻り今度は回 転もいれた素早い移動もしてみる。再び各自でアクセルとブレーキを使ってふ わりふわり。今度はフォルムチェンジ。動きは小さくてもいいので素早いアクセ ルとブレーキを使ってみる。これもまた気をつけないと毎回同じ形になってしま うんですね…どう自分に仕掛けるか多少は頭も使う≠ニいうのはこういうこ となんでしょうか?

何度かフォルムチェンジをした後全員で基本テクスト発語。私は喉がまだ本 調子ではないため身体のみの参加にさせて頂きました。身体の中でテンショ ンを保つのはやはり簡単なことではありません…。次に指名された人が基本 テクスト発語で場を支え他の人は言葉を受けて動く。これもまた難しいのです が何ともいえないゾクゾク感があって楽しいんです。

そして、本日の最後はファリファリ・サークル。ここからは私、身体も声もお休 み、見学させて頂きました。私もそうなんですが、やはり皆さんそれぞれ得意 なテンションや言いまわし、声の出し方があるようです。その中でいかに自分 のバリエーションを増やせるかというのも私の中では楽しさの一つです。少し だけ頭を使って、でも身体でリアクションしていく。空間構成…場を支える…う −ん難しい。はっきり言って私これ苦手です…。楽しいんですけどね。

まだまだ身体の反応が鈍いせいで入りたいところで入れない。なんだか切なく なってきます。まぁ数をこなして身体を変えていければ自然と反応してくれると 信じて今はガムシャラにやってみようかと思ってます。長く続けていれば多少 は成長するものです、きっと。うん、頑張れ自分!!

何だかW・Sの記録になっているのかいないのかわかりませんが、本日のW・S はこんな感じでした。

活動形態:演劇ワークショップ
活動日:2003年4月22日(火) 19:00−21:00
会場:新宿村7スタジオ
記録者:Y.NISHI


◎稽古内容

・まずは屈伸、伸脚などストレッチから。

・首を廻し、徐々に回転の軸を頚椎、脊椎、腰椎と下げていき、上体を大きく 廻す。腕なども使い、身体の求めている部分(特に後ろ)を丁寧に伸ばす。

・ファリファリの基本旋回運動。身体をほぐすつもりでゆっくりと丁寧に。

・肩の辺りも一緒に首廻し。腕も使い、丁寧にほぐしていく。

・再びF基本動作。肘の所に空気を含むイメージでふわりふわりと動く。

・二人一組でファリファリの基本動作による気の交流。二回ほど相手を変えて やる。

・脱力して上体回し。

・ファリファリの基本運動。今度は割と早く動き、アクセル・ブレーキを使ってど んどん身体に仕掛けていく。スローから止めて、五拍使って変化。八割くらい の力で基本テクスト発語。その状態をキープして、内面の動きを使い、五拍で 形を変え、九割くらいの強さで基本テクスト発語。同じようにして九割五分で基 本テクスト発語。脱力。

・ファリファリの基本運動。スロー、止めて五回の鋭いチェンジから基本テクス ト発語。チェンジの時にどんどん身体に仕掛けていく。いろいろな体勢をとる 事で内面を動かす。また、体勢によって声の出方も変わってくるので、それら を上手く組み立てて。

・前の状態キープで一人が基本テクスト発語、周りの皆はそれを受けてゆっく り動く。基本テクスト発語をやる人は場を自分一人で支えるという意識で、テン ションを上げてやる。何人かやって、脱力。一旦休憩。

○休憩中のお話。
「余裕」ではいかん。常に全力で自分に仕掛けていく意識が大切。この一回で 全部出し切る位の勢いで。体力とは別の力で支える。くたびれてるけど元気、 の様な感じ。

○再開
・四人一組で『やよいの空は』をその場での動きを入れてやる。前の人のを聞 いていても、そこから仕掛けたり、破ったり、壊していく。中身がスカスカになら ないように注意。ねじりや、螺旋の動きを使って身体を絞る。それによって声 の出方など、状況は変わる。これらを上手く組み立てて、受け、仕掛ける。安 易に動くと中身が無くなり、場が崩れるので注意。

・林さんからのアドバイス。言葉ではなく、存在で支える。「この戯曲があるか ら」ではなく、「この人がいるから」成立する、といった感じ。存在に意味なんて 無いが、そこに誰か居ることによって場が成立する。安易に言葉に逃げない で、役者としての「存在」を目指す。表現は言葉の中にあるのではない。聞き 取りやすい台詞回しが必ずしもよいのではない。抑圧をかける。鋭い動きで 仕掛ける。声の出にくい体勢になる。声での表現の幅が狭くても、呼吸の違い やリズムによって、ロボットではない状態に持っていく。生き物としての限界や 障害はあるが、その分、表現はいろいろできる。エネルギーでリズムを壊した り、出ずらい声を出してみたり、あるいは技術ではなく内面の、想いや心から 動いてみたり。歌舞伎や能もそうだけど、話があってやるんじゃなく、やる人が 居て話を、表現を創る。各々の中にある表現とその豊かさ、それを出すため に仕掛け、踏み込んでいくんだ。存在自体が表現になることを目指して、と。

・林さんのアドバイスを踏まえて、もう一度『やよいの空は』をやる。

・再びアドバイス。一瞬を成立させるために全力を出し切れ。その一瞬が一分 になり、五分になり、一本の芝居になるのだ。とにかく一瞬を大事に、とのこ と。


●感想
今日はやったこと自体は割と基本的なことだったが、基本的だからできるかと いうと、そう言うわけでは決してなく、むしろ逆にいろいろ感じるところはあっ て。例えば、二人一組での気の交流の時に、「さっきから仕掛けてばっかりだ から受けにまわろう」と途中で思い、基本動作の状態で相手が仕掛けて来る のを待っていたら、そのまま二十往復位して終ってしまい、「しまった!交流で きてねえ!」と反省してみたり。テクスト発語の時に、「何かさっきと変わってね えな…」とか、「この組み立ては違う!」とか、「何か軽いなー」とか思ったり。 やってて気持ち悪さが残る、ということは中途半端にしか出来てないんだろう なとまたまた反省。そもそも腰抜けてるんじゃないかと思う時もしばしば。ダメ だぁっ!そして林さんの話も今日は特に「確かに…、なるほど…。」ということ ばかりで。いつも言われてることなんだけど、こういう基本をやってる時に言わ れると感じ方も変わってくるというか…(僕だけですかね…?)。とにかく、土台 がしっかりしていないと、上には何も積みあがらない。まだまだ精進が足りん な、もっと深めて、もっと仕掛けていかないとな、と改めて感じさせられた一日 でした。

活動形態:演劇ワークショップ
活動日:2003年4月22日(火) 19:00−21:00
会場:新宿村16スタジオ
記録者:S.UEDA

                 
●ストレッチ
足、首を念入りに…膝も忘れずに

●回旋
・首→肩→腰→全身 ゆっくりと…
・スムーズに動く部位は、そのまま流して良し。
・回旋して、つっかえる部位と、背中は特に念入りに。
・手の位置を上下に移動、持っていったりする事で、身体の感じ方がそれぞれ 違ってくる。

●ファリファリの基本運動、ファリファリ・ベーシック1
T)一人で
・手にも意識を持っていくように
・一時的に止めたら、あとは流れで持っていく
・スローにする際は、さらに手に意識
・手は力を入れている状態ではない

U)二人で
・どちらかが誘導して行うと良い…行い易い
・相手との間合いを感じる

V)二人で移動をプラス
・お互いとの息がピッタリ合う時があるので、その時に、移動etc…を行うと、 何時間で
も観る事が出来るファリファリになる
・移動の後は、スローの動きを入れ軌道修正を…

W)二人で移動…今回は回転を入れ速く、とにかく速く
・自分達だけではないので、速くなったとはいえ、周りもよく見ること
・「速く、速く」、軌道修正にはスロー。

●林さんから一言
背中からも発するように…なれ

●ファリファリ・コア
T)全員で
U)全員で異なるペース
V)ファリファリ基本動作→3チェンジ→基本テクスト発語
W)ファリファリ基本動作→3チェンジ→基本テクスト発語 体勢、移動(可)
とにかく今回思った、感じた事は、ファリファリ移動―回転付―は、腰が要な のは存じているが、その次に脚、そして筋肉のバランスが重要なのだと感じ た。

活動形態:演劇ワークショップ
活動日:2003年4月29日(火) 19:00−21:00
会場:新宿村第16スタジオ
記録者:M.SHIMURA


・個々で軽くストレッチ

・二人一組になり、足あげ腹筋で基本テクスト発語。
足を下ろす時に吐く=A足をあげる時に吸う=B瞬間で息を入れたり、ゆ っくり入れたり、また入れる息の量を調節しながら。これを2セット行う。

続いて、上体を起こし、肘で支えながら足あげ腹筋で基本テクスト発語。これ も先ほどのと同様に呼吸≠考えながらテクストを構成していく。大事なの は自分の呼吸を知ること。

・腰からねじるファリファリ(F基本動作)。足・腰を土台として、上体は力を入 れずに、ゆっくり・やわらかい感じから、だんだん力強くしたりする。緩急をつ けながら。

                脱力

今度は、左右体重移動から、だんだんねじりを加えていく。

                脱力

再び腰からねじるファリファリの基本動作。アクセル・ブレーキを入れながら流 れを作っていく。スロー。指先まで神経を通して。ストップ。フォルムチェンジ5 回で基本テクストテクスト発語。自分の呼吸を考え(感じ)ながら。

                脱力

次は、途中にもフォルムチェンジを入れながらのファリファリ・コア(Fコア、テク スト『サロメ』)。楽をしてはいけない。もっともっと自分を追いつめて。そこから 出る声(音)が、深くなっていく。もう一度行う。

・最後にファリファリ・サークル(テクスト『サロメ』)。今回は、山内・曽田・上田・ 尾崎・加藤で行った。最初に入る人の順番を変えながら何回か行う。観ている のもかなり勉強になる。やはり、以前からワークショップに通っていた山内・曽 田はどんどん流れを変えていこうとしているし、上田・尾崎・加藤はその流れに どう乗っていこうかしている様に感じた。観ていて、私もやりたくなった。

今回、大事だと思ったのは呼吸=B林先生がおっしゃった言葉が頭に残っ ている。「自分の呼吸が分からなければ、相手の呼吸は分からない」ずーっと 相手が何を考えているのか分かろう・感じようと思っていても分からなかった し、感じる事が出来なかった。それは、自分の呼吸が分かっていなかったから だということを知りました。これからは、もっと自分を客観的に見ていきます。

活動形態:演劇ワークショップC
活動日:2003年5月7日(水) 19:00−21:00
会場:新宿村スタジオ7スタジオ
記録者:K.N.


今日のワークショップは『勧進帳』から入った。『勧進帳』はやっていて自分の 声(息)が林さんの言うようにできていないと感じる。息を詰めて身体を楽な状 態にせず溜めて息を吸うときも10吸うのではなく声を出しきれるだけ5分なら5 分、2分なら2分とその状況、自分の身体に合わせて呼吸をコントロールする。 頭では理解しているがなかなか思うようにいかない。いきなりできるようにはな らないが、もっと身体に覚えさせていきたい。そのあとは腰からの旋回運動の ストレッチ。肝を様々な角度に変化させ自分の身体が求めている形、苦しさを 感じるが自分の伸ばしたい所を伸ばしていく。反り返っているときなどとても苦 しいのだが不思議と身体がそれを求めている。自分はそれが解放感があり 気持ちよく思った。次に4人1組で『やよいの空は』テクストの掛け合い。正 直、自分はもちろん周りも含め、まだまだできていないところがほとんどなの で、やっていて気持ちよくない部分があった。林さんの言う、場、空間ができて いない。もっと自分を追い込んで集中できなければならないと思った。

また今日、言葉について話があった。日本にはもともとそれぞれの言語があ る。それらを合わせ、作られた標準語。その話を聞いたとき、以前芝居のセリ フで自分は心に思ってそう言っているつもりなのに、どこかに違和感を覚えて いたことを思い出した。それは自分が生まれてからほとんどの間使ってきた 言葉ではなかったからだったのかもと思った。そして新しいテクスト「カサンド ラ」を使ってのファリファリサークル(Fサークル)。新しいテクスト、また初め て、ということで皆戸惑っていた部分があった。まだまだ手探りという段階だっ たと思う。自分もまだまだ動けていない、足りないと思った。それがもどかしく 歯がゆく思った。基本的にエネルギーがまったく足りていない。以前にファリフ ァリ(F式訓練)をやっていたときなどは、もっと身体の中にエネルギーが満ち ていたはずだ。まだまだ始まったばかりだが早く勘を取り戻すというか慣れて いかなければと思った。

活動形態:演劇ワークショップB
活動日:2003年5月14日(水) 13:00−15:00
会場:新宿村7スタジオ
記録者:M.FUJII


最初のメニューは、なまった私の身体を叩き直すものだった。

・各自ストレッチ、その後腹肉腹肉!!
脚をうかせて曲げ伸ばししながら数を数える。

・脚を垂直にし、左右へ倒しながら「カサンドラ」テクスト発語。皆あまり覚えて おらず(はずかしい…)、林氏のはからいにより、分からなくなったら頭に戻っ て良い事になった。各自で息使い、間、スピードを工夫しながら腹肉。「時々の どへの負担を感じるのですが」と質問すると、「のどの周りに力が入っている からだ。意識を腹肉に集中して、余計なところに力が入らないように」とのこ と。その言葉を参考に注意して試みると、さっきより身体の使い方(?)が分か るようになり嬉しかった。

・壁に肩と踵をつけ、腰を落とし、股割をして「カサンドラ」テクスト発語。息に 余裕を持たせず、「〜私、アポロー!」と、「アポロ」をのばすように言われる。 その後、その息使いを利用し、「大地の〜」と入っていく。「アポロ」の時に、割 っている足をさらに割り、身体をいじめ、その時の痛みや息の苦しさ、精神状 態で声の出方が大きく変化!これはやっていて非常に面白い。繰り返しやっ てゆきたい稽古だ。


・ファリファリ
やっぱり大好き。難しいが、少しづつ固く結ばれたひもがはずされてゆくのが 日に日に分かる。身体の中の気の動きを感じて…ファリファリの基本運動。ス ローは神経を指先まで集中させて。フォルムチェンジ、基本テクスト皆で何度 か繰り返し、しばらくすると一人でその場を支えるものに。皆は一人の声をう けてゆっくり動く。楽しい。このひとときが楽しい。でもまだ未発達な私の身体 と精神。もっともっと身体をいじめてゆくべきだ。根岸さんが2回基本テクストを やったが、色々変化があって「身体の中」から何かが溢れているようだ。「個 性が出る」と林さんはおっしゃった。私の「個性」が出てくるのはいつになる事 やら…。

・休憩

・ファリファリ・サークル
始めは5人でやり、その後6人で。張り詰めた空気の中、皆がサークルをす る。一人で空間を支えるのが多く見うけられた。身体を抑制して、いじめて。空 間を支えるというのはとても大変な事だと思う。入る間や、入る形、声の出し 方、周りを見る力が必要になってゆく。私にはまだまだそれらが足りない。す ぐ楽しようと身体が自然に動く。もっと「いじめる事」と「見る力」をつけてゆきた い。以上。 


トップへ
戻る