演劇ワークショップ2002年度前期
*註:稽古場内で「ファリファリ」の愛称で呼称されていた訓練法は、
2007年度より「Fメソッド」と正式命名いたしました。
ファクトリー活動記録      
活動形態:演劇ワークショップ
活動日:2002年8月20日(火) 19:00−21:00
記録者:Y.NISHI


[内容]
まずは各自軽くアップ&発声。そのあとサブテキストの『正午の伝説』(別役実 作)の兵士たちの対話テクストを各々で台詞に特に意味を持たせずに読む。

●ファリファリに入る
初めに、声の掛け合い。
歩きながら、走りながら、間合いを取りつつもしっかり相手に掛け、受けること を意識。やがて接近戦に持ち込み、互いのエネルギーをぶつけ合いながら、 徐々にテンションを上げていく。限界よりも一歩あがったところで内側から変 化していく…失敗。

林さんからのアドバイス。
「受ける」ことがうまくいっていない。相手と四つに組めていない。確かに声の 変化でごまかしたり、相手が仕掛けてきても逃げている自分を発見。気を引き 締めなおして、今度は「おい」の掛け合い(序)からテンションを上げていき、 「おいお前」、「どうかしたのか」と変えていき(破、急)、三種類で掛け合いを し、いけそうなら「ちょっと黙ってくれ」([急]の[破])までいって序に戻るという のをやる。一回目、…大失敗。「おいお前」に入るタイミング早すぎ。エネルギ ーも霧散してしまっている。二回目、やっぱりまだ早いといわれる。実際やって いても、高まりきってなくて、その半端さが気持ち悪かった。三回目、「おいお 前」、「どうかしたのか」まではいったが、「ちょっと黙ってくれ」までいくには及 ばず。[急]から[破]にいくエネルギーが足りない気がする。精進しなければ。

ここで林さんからのアドバイス。
どこかを不自由に(例えば足の位置を固定したり)してエネルギーを作る。ほ かにも以前、相手と肩をくっつけて押し合いながらテンションをあげていくのを やったが、相手が近くに居るだけだったり、肩が触れているだけでも、自由に は動けない、つまり不自由をつくれる(静かなパターン)。こうして相手と四つに 組んでテンションを上げていき、限界まできてどちらかがパーンとどこかで上 に抜けると(決して下に抜けないこと)そこから相手も変化しやすい、とのこと。 楽なほうへ楽なほうへと逃げていては実力なんてつかない。常に限界の一 歩、二歩先まで意識を持っていこうと思う。

休憩:林さんのお話
ファリファリは役者の心臓部、パソコンでいうCPUを作るものである。台本は ソフト。芝居作りにおいて、この心臓部がしっかりしていないと話にならない。 また、言葉は感情という海の波の上に浮かんで揺れ動く船のようなものであ る、と。いろんな波を作れる海になりたい…。

●稽古再開。
今度は三人で空間を支える。本来は5、6人位がちょうどいいが人が居ないか ら仕方ない。大き目の輪になり、まず一人が真ん中に入って形を決める。二 番目の人は先に入った人が完全に止まる前に中に入り、形をきめる。三番目 の人も同じ。三番目の人が完全に止まる前に一番目の人は動き始め、外へ 出る。一番目の人が完全に止まる前に二番目の人も同様に動く。三番目の 人も同じ。三番目の人が完全に止まる前に一番目の人がまた中に入り形を 決める。の繰り返し。中のエネルギー、緊張感を一定に保つように。たとえ前 の人が見えなくても、気配や音で感じて動くこと。入るとき・出るときのスピード も変えて。集中力が研ぎ澄まされていく…。今度は今までの動きに動作を加え る。形を決める前に特に意味のない動作(たとえば手が振り子のように動くと か)を加え、次の人はその動作の終わりを感じ取ってその前に中に入る。出 るときも同じ。途中から、出るのではなく、中にとどまり位置を変えながら続け る。空気が変質して不思議な雰囲気になる。徐々にテンションがあがる。たが いの呼吸を感じ取って合わせていく感じ。

次は、二人(O、N)が正座して交互に基本テクストを(もちろんバリエーションを つけて)発語し、一人(G)がその声を身体にとおして動く(イスを使ってもよ い)。基本テクストを発語するほうも動く人の中に声をとおし、中に入っていく意 識で。声の変化がうわべだけにならないように、動くほうも台詞の意味で動か ないように、また、イスに頼り過ぎないように注意する、とのことだったが、ほと んどがうわべの変化になってる感じの私。

林さんからのアドバイス。
正座してても上体は動く。身体をどういじめて声を出すか、どう声に負荷をか けるか考えてみる。表面的に声が変わっても相手にはとおりにくいし、中身が 薄く感じる。内側から変化した声は相手にとおるし、動くほうも楽に動ける。ま た、相手の身体にとおるということは、舞台だと客の心の奥にズンと届くという ことだ、とのこと。…たしかに。その辺はやる側としても同じで、事実、中から 変われた時はとても気持ちよかった。いつも終わってからある「何か違う、何 か足りない、半端で気持ち悪い」といった感じが全くないのだ。この状態を常 に出せるようになると、役者として一皮むけて、より一層深い芝居ができるん だろうなとか思う。これからも限界の向こう側を意識して頑張ってやっていこ う。

ファクトリー活動記録      
活動形態:演劇ワークショップ
活動日:2002年8月22日 (木) 19:00−21:00
記録者:K.NEGISHI


[内容] 集合。テクスト配布 
軽い準備運動(屈伸−伸脚−アキレス腱−股割り...etc)から始まる。
身体に負荷のかかる体勢で基本テクスト発語。身体をほぐすように左右に振 る。(緩急をつけたり)フォルムチェンジ→セリフ。
ファリファリ、二人組みで身体を使って相手と掛け合い。20時頃、小休止。5 分後開始。4×2に分かれ、F基礎U。再度二人組みで言葉を使って相手と 掛け合い。皆で円になり、空間構成。

[感想] とにかく集中、集中・・・で、かなり汗だくになりました。しかし、週一回 二時間のワークショップ、ぶっ通しでやるには体力が足りずに集中力がきれ てしまうというので休憩。日頃からの自己管理、体力作りが必要なんだと実感 しました。

 掛け合いは、テンションをつないでいくのを、突っこまれて、身体のなかから 思い切って出していくということがなんとなく分かったような気がしました。その 場の雰囲気等を的確に判断して動く、動かすという事はまだまだ難しいです。

ファクトリー活動記録      
活動形態:演劇ワークショップ
活動日:2002年8月20日(火)19:00−21:00
記録者:Y.NISHI


◎ビデオについてお話&鑑賞
真・ギリシャ劇の『エレクトラ』(大変貴重な映像です。)を観る。一度歴史の中 から失われたギリシャ劇。イタリア・ルネサンス期に復元しようと試みられる が、これはオペラになってしまう。その後、イギリスで研究され、現在では様々 な演出がされているが、これもどうもイギリスかぶれ。このビデオのギリシャ劇 は、ギリシャの山岳地帯などに古くから伝わる民謡や各地の踊り(日本で言う 盆踊りのようなもの)などを集め、研究し、とりこんで、実際のギリシャ劇はこう だったんじゃないか、というふうにしてできたものだとか。ただ、音が出なかっ たため、映像としてしか見れなかったのが残念。このギリシャ劇では、コロス がとても重要だそうだ。実際見てても、集団で登場し、踊ったり、オブジェのよ うにじっとしていたりしていた。また、台詞にも謡うような独特の調子がつくらし い。ぜひ一度完全な状態のものを見てみたいと思った。ギリシャ行かないと駄 目かなあ…。

休憩、をはさみまして。

●ファリファリにはいる。
・足を開いて立ち、腰を落としながら足の指に力を入れ、足の裏で地面をつか む。腰を上げながら足の裏の力も徐々に抜いていく。これを何度か繰り返し、 今度は体重移動を加える。右足に体重を乗せ、左足を引き付けて右足一本 でたつ。このとき、右足で地面を掴む。逆も同じようにやる。

次は、足を肩幅に開いて地面を掴み、両手を前に出し腰を落とす。軽く押され ても倒れたり、バランスを崩したりしないように。僕は崩れました。まだまだ修 行が足りん!

今度は足を開いて地面を掴み、両手を前に出し腰を落としてk本テクスト発 語。この時も軽く押されても負けないように。

・左右体重移動からねじりを加えてふわりふわりと動く。固体から液体、気体 の状態へ。空気中にエネルギーを放出し、吸収する、指先で呼吸する感じ。ス ローになって密度を濃くしていき、チェンジの嵐に続いてk本テクスト発語。脱 力し、再び左右体重移動からねじりを加えて動き、チェンジの後、基本テクス トの発語。やりなれてはいるが奥が深い。基本部分だからまだまだがんばっ てやっていかねば。

・ファリファリ・サークル。
大きな円になり、一人目が中に入り、形を決めて基本テクスト発語。次の人は タイミングをはかり、ここだ!というところで中に入り基本テクスト発語。前の 人はそれを受けながら続けるなり、とめてその場に残るなり、ゆっくり出るな り、さっさと切っちゃって出ていくなり、自分の判断で。入る側もゆっくり歩いて 入ったり、ばっと入ったり、入ってしばらく存在だけで場を支えてから基本テク ストに入ったり、テクストを発語しながら入ったり。全体の流れでも、皆が次か ら次へと入っていって、そのテンポを誰かがズバッと断ち切ったり。これがま た難しいけどおもしろい。

・林さんの話。
ファリファリ・サークルは選ぶ力、判断力をつけるもの。時間・空間のデザイン 力。つまりは演出力をつける稽古だと。演出力がついてくると自己演出ができ るのだと。だから「今のタイミング間抜けだったな」とか自分でわかってくるらし い。がんばってそこまでいこうと思う。

あと、同じレベルかちょっと上の人たちが集まって、お互いに高めあえる。そう いった場所があり、仲間がいるといいね、とのこと。たしかに!好敵手とかい てライバル。競い合い、高めあえる仲間と稽古できる場があると、ずっと伸び るだろうなと思う。そういう仲間、そういう場をもっと増やしていきたい。

ファクトリー活動記録      
活動形態:演劇ワークショップ
活動日:2002年08月29日(木)19:00−21:00
記録者:MAIKO
 

[内容●印、感想は■印で表記]
●ウォーミングアップ
・腰を落としたまま左右に移動
・同じく腰を落としたまま前後の向きを変えて左右に移動
・すり足で3歩前進、3歩後退
・同じくすり足で3歩前進、3歩後退後、座る(しゃがむ)

●腰を落として半回転ジャンプ、そして基本テクスト発語(『サロメ』)

●ファリファリ
・1人で
・2人で
■初めてここにいらっしやった方(多田さん)と組んだ。相手が私を―生懸命見 て下さってるのが分かった。私は敵ではない、と言うことをわかってもらえるよ う願いながら慎重になった。それはそうと、私はどうも相手とポジションを変え る時の足運びがうまく行かない。無駄に回ってしまい、そのことで集中が切れ 易くなる。それと、左腕がなまっていて、―つ―つの間接が思い通りに滑らか に動いてくれない。

●円になってアクティングエリアに1人ずつ順番に入り基本テクスト発語(Fサ ークル)。
・2組(5人ずつ)に別れて順番にそれぞれ場を盛り上げる。
■うちの組1周目〜2、3周目まで。とにかく場を上げないことには…と上げる ことをまず目的に動くがなかなかテンポが悪く上がらなかった。とりあえず、 「一番先頭きって恥をかいてやろう。」と動いてみる。後は頭で余分なことは考 えないで、とにかく場の空気に身体・神経をさらし続けるイメージで、その時・ その場に自分なりに欲しい高さ(低さ)・テンポ・状態を狙って身体を場に撃ち 続ける(地雷・手榴弾・生物兵器・投網・アメーバー・etc)イメージ。蒸気機関車 の炉(=場)にくべる石炭になりたかった。(しかしこの日は途中でばてたのか 自分の集中カが切れてしまった。残念&反省。)

●マスク
・マスクを付け、それとは別に前方に台詞(声)のみ担当の2人を配置。声担当 はマスク陣の身体に通すように長台詞(ヨカナーン)を言い、マスク陣の身体を 動かすイメージ。
・マスク陣はウオーミングアップでやったすり足(前後3歩ずつ)の3歩前進した 後留まり聞こえてくる声によって歪みを感じ、そして3歩後退。これを繰り返 す。
■まだ入りきってない台詞だったのと2人で読む、と言うことで自分が上手く熱 を上げられず、声に身体からのエネルギーが乗らずに自分で気持ち悪かっ た。中途半端な状態というのはなんて白々しくて恥ずかしくなるのだろう。思わ ず苦笑いが出た。
■マスク陣の側にまわった時もいまいち飲み込めて無かった為中途半端なま ま終らせてしまった。

ファクトリー活動記録  
活動形態:演劇ワークショップ
活動日:2002年9月05日(木)19:00−21:00
会場:新宿村第5スタジオ
参加者:12名
記録者:Y.NISHI


◎今回のワークショップは一般コースの方々と合同でした。
まずは紹介等も含め、このワークショップの趣旨などのお話。
一般の中には去年林ゼミだった吉田・江口・根岸先輩方の姿もありました。
ワークショップはF式訓練が中心。芯をしっかり作って表現活動をする。

[内容]
・まずは屈伸、膝回し、伸脚、アキレス腱など準備運動で身体をほぐす。

・足を開いて腰を落としながら足の裏で地面を掴む。腰を上げながら足の力を 抜く。これを何度か繰り返す。

・半回転ジャンプを何度か繰り返し、ジャンプ後基本テクストをやる。基本テク ストの後、エネルギーを抜かないようにゆっくりと空間を移動し始める。そして 半回転ジャンプ、基本テクスト、空間移動。基本テクストも強さが八割、8割五 分、九割、九割五分と強めていき、九割五分だけど声は抑えてやったりする。

・肩をたたかれた人は待機ということで、しばらく他の人のやるFサークルを見 る。…すごい。身体と台詞に動きがある。そうか?と思うところもたまにあった が、「そうきたか!」と思う所も多々あった。何度か一般の人々(の一部)のF サークルを見た後、復帰。

・左右体重移動。背骨を柔らかくつかい余分な緊張をほぐす。旋回も混ぜ、ね じりを加えてふわりふわりと動く。指先まで神経を通して肩に力入れない。指 先で呼吸するイメージで。スローになり、チェンジから基本テクスト発語。脱 力。再びF式訓練、スロー、フォルムチェンジから基本テクスト。強さや密度を 変えながら…。

・三分休んでからファリファリ・サークル。
林さんが指名した人たちが輪になり、一人ずつ中に入ってポーズを決めて基 本テクスト発語。順番にタイミング、入り方、重さ、スピードなどを判断して中に 入り基本テクスト発語をする。入るときは前の人のを受けて、次の人が入って きたらそれを受けて変化、さらにその中にあって全体の流れやテンションも考 えて動き、しゃべっている。

この人たちのを見ていると、まるで授業のときビデオで見た海外でのワークシ ョップの様で、取り組み方が違う。やってること自体が僕らより何歩か先のこと なのだが、皆さんあの手この手で仕掛けあい、受け合い、時には転がりなが ら、時には這いずりながら、時には走ってきて、と、とにかくすごい開放っぷり だった。
 
同じようなことを前にワークショップでやったが、我々とは意識からしてレベル が違う。いいカンフル剤になった。頑張らねば!

●今日はこれで終了。
来週からは吉田先輩たちも火曜日の林ゼミメンバーに混ざることになった。 今までは外部といえども面子は内部だったが、ようやく外部との接触って感じ になってきた。飲まれないように頑張ろうと思う。

ファクトリー活動記録  
活動形態:演劇ワークショップ
活動日:2002年9月5日19:00−21:00
会場:新宿村第5スタジオ
参加者:13名
記録者:S.FUJII


[内容]
1 今回は火曜日クラスと木曜日クラスとの合同ワークショップということもあ り、林さんを交えて参加者が輪になって座り、林さんから参加者それぞれの簡 単な自己紹介を受ける。

2 各自立ち上がって簡単な柔軟体操。

3 ファリファリの基本動作(重心を左右に移し、そのスピードに変化をつけた りしながら身体を解放していく。意識を内側に向け、自分の身体に対する意識 を高めていく。)

4 林さんの指示によって、半回転ジャンプの後フォルムをチェンジ。そのまま ゆっくりと各自動き始める。(意識的に身体を動かすのではなく、身体の動き たい方へ・エネルギーが流れる方向へ。)

5 4にプラスして、テンションをキープしたまま林さんの指示したテンションで サロメのせりふを吐いていく。その後、身体に負荷をかけたり、せりふのスピ ードを変えたり、音の高低を変えたりといった変化もつけていく。

6 3分間の休憩

7 参加者(藤井・桑原・MAIKO・平野・根岸)が輪になり一人ずつ順番にアク ティング・エリアに入っていき、サロメのせりふを吐いていく。その後、林さんの 指示により、最初の5人の他に何人か加わっていく。


[感想]
今回は初めての合同ワークショップだったということで、いつもとは違った雰囲 気だったと思います。会場も初めて利用するスタジオでなおかつ広かったとい うのも少しは影響していたかもしれません。いつもにまして緊張感のある雰囲 気だったのではないかと思います。固定されたメンバーで創作活動をすること が多い自分としては、非常に新鮮で楽しめました。

柔軟体操からファリファリの基本動作、そして半回転ジャンプまで約90分間ぶ っ通しで行われたのですが、僕を含め参加者は90分間集中力を持続すること が出来なくて、バテてしまっていました。集中力を維持すること、当たり前のこ とですが、非常に大変なことだと思います。

最後は輪になって、一人ずつ輪の中へ入ってセリフを吐くという即興。輪の中 に入るタイミングや入り方など粗さが目立つ。場の流れを無視して自分本位 に輪の中へ入ってしまったり、場のテンションを落としてしまったり。ワークショ ップ自体まだまだ始めて間もないので、上手くいかないことは仕方がないと思 うのですが、「失敗」が「失敗」だと分かる、場の空気をきちんと感じられる状 態に常にあること、これが一番重要なのではないかと思っています。

ファクトリー活動記録  
活動形態:演劇ワークショップ
活動日:2002年9月10日 (火) 19:00−21:00
参加者: 5名
記録者:Y.NISHI


[内容]
・屈伸、伸脚など、軽く身体を動かしたりしてアップ。

・各自適当に声出しをして、基本テクストを発声代わりに軽く流す。

・上体脱力から左右体重移動、旋回し、ねじりを加えてふわりふわりと動く。固 体から液体、液体から気体へと変化する感じ。肩に余分な力を入れず、肩甲 骨を柔らかくつかう。スローになって濃密さを変え、ストップ。チェンジからの基 本テクストを何度かやる。今更ながら腰が逃げないように。

・二人一組で気の交流。
やっぱりこれが苦手な私。受けがうまくいかない。わかるようになっただけまだ いいのかも知れんが…未熟!精進します。

・三人が輪になって座り、真ん中に一人立つ。周りの三人が一人ずつ順番に 基本テクストをやり、中の人はそれを受けて変化。ゆっくりと動く。基本テクスト やってるほうもどんどん中から変化しつつ相手に声を通していく。体勢に負荷 をかけたり、ねじったり、身体のどこかに不自由・不均等をつくったり、やり方 はいろいろ。

・身体をほぐしてファリファリ・サークル。
輪になって立ち、一人が中に入って形を決め、基本テクスト。次の人はここだ という時に中に入り、同じく形を決め基本テクスト発語。前の人は次の人を受 けて、続けたり、切ったり、変化したりして、輪に戻る。出るとき、入るときもす でに動きの一部として考え、早く入ったり、ゆっくり入ったり、いろいろです。存 在だけで場を支えるというのもありです。

先週木曜日の一般コースのFサークルを少なからず意識して、いつもより高い 意識下でやってみた。後半は輪に戻らず、中に居るままでポジションを変え、 続ける。個人の変化だけでなく、全体のテンションの波も意識してやるといい。


・休憩をはさみまして…

●再開
・「おい」の掛け合い。声の高さ、長さ、強さなどをかえ、高めるところはとこと ん高め、てっぺんから「破」。長音は重なり合ってどちらかが引くまでとか、基 本部分をおさらいしつつ2・3度やる。

・「おい」の掛け合いから、サブテクスト『正午の伝説』へと入る。『正午の伝説』 に入るまでのテンションを「おい」の掛け合いからつくり、一気に入るとき、ま た、「破」の後で抑えてはいるときなど、入り方もアドリブで。『正午の伝説』は 二人の掛け合いの台詞が基本だが、あくまでサブテキストなので台詞になら ないように注意が必要。基本は「おい」の掛け合いが「おい」じゃなくなっただ けの話。テンションの掛け合い。

・発展して、今度は「おい」から『正午の伝説』を掛け合ってる二人の間を一人 が受けながら歩き、変化しつつ移動するというもの。相手にしっかり届く出し方 をしないと受ける側が動けないので注意してやりましょう。

・二人一組で距離をとって一直線上から半歩ほどずれて真っ直ぐ歩いてもぶ つからないように立つ。ゆっくりと前に進んでいき、相手との間のエネルギーを 圧縮、見えないボールを作る。ギリギリまで近づいたらその場でゆっくり変化し 始める。このとき絶えずボールを意識して場のエネルギーが霧散しないよう に。一分ほど動いたらゆっくりと元の位置に戻り始める。この時もボールを互 いに引っ張って落とさないように意識しながら。

・ファリファリ(F式訓練)は見えない部分のコミュニケーションです。お互いに 意識がつっかえないようにしましょうとのこと。どこかでつっかえちゃうと受けら れなくて変なことになるから。すぐにうまくなろうと焦らずに、ゆっくりつっかえを 無くしていきましょうとのこと。今日はこれで終わりです。

ファクトリー活動記録  
活動形態:演劇ワークショップ
活動日:2002年9月12日(木)19:00−21:00
参加者: 11名
記録者:T.SAKAI


[内容]
1.ギリシヤ劇
『エレクトラ』(ギリシア版)のビデオを観るo

2.ウオーミングアップ

3.声だし 男性:『正午の伝説』  女性:『サロメ』

4.ファリファリ

5.4人1組「すばらしいわ」「こわいわ」「どうしたのさ」「こわれちまいそう」

6.声を受けて動く  3歩目でねじっていく

[感想]:別役さんのテクストを使っての声だしは兵士1.2ともせりふを自分の中 に入れるとモノロ―グでできたり、おもしろくなりそうだ。

今日のワークのメインはひさしぶりの「すばらしいわ」「こわいわ」「どうのさ」「こ われちまいそう」であった。グループでのファリファリにしても、このワークにし ても「アクションではなく、リアクションだ」ということを意識して取り組んでいる。 声をつくるのではなく、自分の身体との交信の深さによって動きも声も変わっ てくると思える。4人からはずれて、観ているとき、身体との対話の深さが人に より異なることを感じ取れるから不思議だ。自分の時は客観的には見えない がどう見えるのだろう。―連のワークのめざすところが、台詞の心理描写やス トーリー展開ではなく、場を設定するカや状況を変える力にあるのだと思う。そ のことが、林さんの言う「ここで起こっているライプな感覚」、「リアル」ということ ではないか。

今の自分の実力では、場をこわさないようにという意識が強く働き、状況を変 えていくという所には遠く及ばない。「受け」を大事にしつつも状況を変えていく には、強い個人の確立が必要だと考えている。それが「存在感のある存在」な のだろう。

ファクトリー活動記録
活動形態:演劇ワークショップ
活動日:2002年09月16日(火)19:00−21:00
会場:新宿村第15スタジオ
記録者:A.GOTOH


[内容]
1.火曜日のワークショップにT学院などで行われた舞台が終わったメンバー が久しぶりにきた。木曜日のワークショップから移動してきた二人(吉田、江 口)と軽く自己紹介を林さんを通じて行われた。

2.輪になり、簡単な柔軟体操。

3.ファリファリの基本動作・・・重心を左右に動かし、スピードなどに変化を出 す、強弱・高低など。

4.ファリファリ二人組み(基礎T)・・・・二人組みになり、始めは自分でまわり を感じ動かす、林さん合図により相手と連携して動いていく、互いに動けてき たらターンなどをしたり空間もうまく使う。身体は180度回し、周りへの注意を 払いながらぶつからないようにおこなう。

5.ファリファリ・サークル(来ているメンバー全員輪になり、一人ずつ順番に中 心(アクティング・エリア)に入っていく。せりふなし。動作で入った瞬間・動きを とめる瞬間など相手に分かるように動く。きちんと【タメ】を利用する。

6.サロメ長台詞・・・・両端に二人座る、残りは二人の間に入りサロメの台詞 を身体に流し・感じながら、三歩進みその場で身体に不自由(ねじり)を加えて いく。そして林さん指示でゆっくり三歩で戻り背筋を伸ばしてきちんと立つ。

[感想]
今回はメンバーがいつもと違い、久しぶりのメンツが集まった。なんだかいつ もと違う雰囲気だった。

ファリファリ(基礎T)をやったとき、いまいち相手を感じることができなかっ た、相手の出方を感じることがこんなにも難易度の高いものだとは…・サロメ をやっているときも、身体で感じたものがそれほどはなかった。というより、き っと自分の中でうまく言葉が流れなくなってしまっていたのかもしれない、それ に加え、身体の中を通る声と通らない声が分かってきた。
今回15スタジオということであまり広くはなかった。ファリファリをやるにあたっ て動くときいかにまわりに注意力が行き届いていないか思い知らされた。

ファクトリー活動記録
活動形態:演劇ワークショップ
活動日:2002年9月19日 (木) 19:00−21:00
会場:新宿村第20スタジオ
記録者:H.SHIBAYAMA


[内容]
1.全員で身体をほぐす柔軟体操。

2.身体の旋回と左右への回転にスピードの変化を与えながら、エネルギーを キープする。

3.フォルムチェンジから身体にひねりを加え、基本テクスト発語。

4.全員が順番に場の中に入り、テンションをキープした状態で基本テクスト 発語。入るタイミング、出るタイミングは場の空気をよく読んで行うよう、林さん より指示。
状況によりセリフは全部言わなくともよいし、途中から入ってもよい、また他の 人のセリフにかぶせてもよい。

休     憩

5.男性は二人一組になり、別役実の『正午の伝説』を身体の動きを使いなが ら言っていく。女性は『サロメ』のセリフを使用。

[感 想]
1.身体の回転時にスローに変わるとき、エネルギー保持をするのが意外と 難しい。手の動きに気を取られると、すっと抜けてしまう感じがある。

2.フォルムチェンジがワンパターンになってしまう傾向がある。身体の変化を もっと感じる必要がある。

3.全員が順に場に入り基本テクストを言っていくレッスンでは、充分にエネル ギーを保持できている人と、気が抜けてしまう人の差が見受けられた。
自分自身でももっと集中が必要であると感じる。

ファクトリー活動記録
活動形態:演劇ワークショップ 
活動日:2002年9月26日(木)19:00−21:00
参加者:12名 
記録者:S.UESUGI


[活動内容]
1.ウオーミングアップ 

2.声だし・・スクワットで「シッ、シッ」(だんだん早く、最後は長く)スクワットで基 本テクスト(8割で2回・フォルムから自分のバリエーションで2回)

3.【横にゆれる(身体の中に水があってそれがゆれるように)・・身体をねじる (水から気体に変わり全身を流れるように)・・身体全体に気を流す(指先にまで 神経を行き届かせて)・・スロー・・スローからフォルムチェンジ(カウント5でチェ ンジ、カウント3、カウント2、カウント1)】を繰り返しながらフォルムチェンジで基 本テクスト発語。

4.ファリファリ:二人組みで向かい合い、気を流す。速さを変えながら、指先 まで意識を通す。お互いに自分の呼吸で始め、流れ始めたら相手を意識して いく。どちらかが仕掛け、どちらかが受ける。お互いの間にある気の流れを意 識しながら仕掛け、また、受ける。(動きもいれながら、仕掛けるほうや受ける ほうが固定しないように)
3回相手を交代(U.S…Y・H・K)

5.4.の中で感じたことをお互いに話す。(話さなかったことではあるが・・)
U.Sの場合
〇Yさん‥相手の不安げな呼吸を感じる。しばらく相手の呼吸を見てみる。気 の流れを感じ始めて仕掛けてみるが、途中切れてしまう感じがしてしまい、受 けてみることにする。単調な流れだが、少し相手を感じることが出来た。

〇Hさん‥はじめからお互いの気の流れを感じる。相手が一生懸命受けよう としている気持ちを感じる。しばらく受けていると、受けてばかりではなくこんど は仕掛けようという気持ちが先に伝わり、平野さんが動くのがおもしろかっ た。「まじめな方だなあ」という印象を受ける。

〇Kさん‥はじめから遠慮なくぶつかろうと気を充満する。自由に気を流すつ もりで始めた速い流れがそのうち連動してしばらく続いた後、一転してスロー な流れに。どちらが仕掛けているのか受けているのかもうわからない状態だ った。途中止まったときが最も相手の気を感じたピークだったように思う。動き もいつもよりはやく動けたということは、あまり見すぎずに感じながらできたの だろう。おもしろい体験だった。

*それぞれの感想を聞きながら、その人の感じ方がおもしろかったが、大津 さんの感じ方はよく分からなかった。どちらが得意とか言うことではないだろ う・・。

6.F基礎U 4人1組で(声だけ・・フォルムで・・スペースを見ながら動く・テン ションを上げていって、タイミングで女性は基本テクスト・男性は「すばらしい わ」「こわいわ」・・)

*身体にためる・・単にフォルムをとるのではなく、3人の声・動きに集中し受 ける。その受けたリアクションとしての表現でなければならない。


[これまでの活動を通して]
個人的には不完全燃焼。続けて参加できない苛立ちがあるが、場所的にも職 場的にもかなり厳しい。水曜には「流れ星」の活動もあるので、続けていく体 力的な面もある。時々、仕事をやめてどっぷりと演劇につかりたい衝動に駆ら れることがあるが、現実的には生活できない。それがまたストレスになる。し かし、立川で参加しているときと今では自分の中の取り組み方に違いを感じ る。何か自分を破壊してしまいたくなったり、いじめ抜かれたくなったりかなり マゾ的になっているような気がする。2時間やそこらのワークショップでは解消 されないが、かといってそれ以上の時間を持っていない。

ファリファリは一種の自己陶酔でもあり、いわゆる何かに取り付かれる(バリ のケチャやトルコの踊る教団のように)中で、身体の奥から蠢いて出てくる動 きと歯茎からにじみ出てくる言の葉が意識の向こう側で存在するために効果 的な方法であると思う。何かを考えるのではなく、ひたすら自分の身体に委ね るのがいいと、最近の私は思っている。

まだまだ書きたいことはありますが、次回に回します。


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