演劇ワークショップ2002年度
*註:稽古場内で「ファリファリ」の愛称で呼称されていた訓練法は、
2007年度より「Fメソッド」と正式命名いたしました。
参加体験記:K. NEGISHI

活動形態:演劇ワークショップ
記述時期:参加2ヶ月後
参加期間:2002年5月―7月
報告提出日:2002年8月12日



「ふわり、ふわり」で「ファリファリ」という事を、軽く聞いたことがあった気がしま すが、そんな言葉が、本当に良く合っているなと思います。林さん自身が見せ てくれる見本(?)も、そんな感じだし、実際やっている自分の感じも、ゆらゆら と左右に揺れていて・・・・。しかし、何回か鏡やピアノの側面から見た自分は、 「ファリファリ」・・・・ではなく、「バッサバッサ」という感じでした。何とも・・・。

内側からクるものを表に表す。外をかえて内をかえる。最初は、何がいいんだ か、どうすればどうなるんだか?とにかく、全然わかりませんでした。でも、最 近はその言う意味が、少し身体でわかってきました。でもコレはとても精神状 態や、身体の調子でうまくいかなかったり、イライラすることが、何気にたくさん あって、もっと気持ちよくできるハズのものなんだろう・・・と思います。

でも、やる度に思うのは、なんで、こんなに汗をかくのか?ということです。す ごい集中しているんだろうケド、それをそんなに感じない。なんとも不思議な体 験でした。でも終わった後の充実感・・、なんというのでしょう?この快感は、確 かに"ヤミツキ"かも・・・です。

参加体験記:H.HIRANO

活動形態:演劇ワークショップ
記述時期:参加2ヶ月後
参加期間:2002年5月―7月
報告提出日:2002年8月12日



【ファリファリ】は、本当にすばらしい身体訓練方法だと思いました。なぜなら、 下記の事を身体で意識してより良い身体表現形成し確立してゆけるからで す。
(1)エネルギー・気力に満ちた身体形成。
(2)発汗して体力を身に付け発声訓練も含む。
(3)腰を入れて身体を支えるバランス感。
(4)身体のバランスと身体の動きの把握。
(5)身体の形を変える事で新しい表現の芽生え。
(6)新しい表現に向かうための身体の柔軟性と身体の各部分の連結部分の 意識。
(7)言葉の言い方を変えて言葉と動きの分離。
(8)言葉の意味と無意味さの理解。

以上の点から身体の中心を意識する事でバランスの取れた深い表現、言葉・ 動きの変化をつけて表現の幅を広げて身体の新しい発見を【ファリファリ】は 行なう事が出来る。

参加体験記:K.KUWAHARA

活動形態:演劇ワークショップ
記述時期:参加2ヶ月後
参加期間:2002年5月―7月
報告提出日:2002年8月12日


ワークショップに通い始めて約2ヵ月、予想以上に声を使うので、ノドをつぶさ ないよう気をつけています。

林さんのワークショップにおける身体からのアプローチは、キツイときもありま すが、ある時、ふっと気持ち良くなる(?)時があります。特に基本テクスト発 語の時とか(【ファリファリ・コア】)毎回終わったあと、ぐったりしているんです が、時々、かえって元気になったりする時もあるのです。テンションが上がって いるって事でしょうか。

これから、徐々に相手の人数(同時に行なう人数)も増えて、意識することも 多くなっくると思うので、どんな瞬間が生まれるのか、楽しみです。きつさも倍 増してゆくんでしょうけど(笑)でも、まだまだドンと来いです。

個人的には声のサバキ方を注意して行きたいと思っています。一本調子にな る事が多いので、強弱や高低の幅をもっと広くしていきたいです。身体の力が ぬけてくれば。もう少し良くなるんでしょうか?

このワークショップで行なわれている事は、身につけば色々な分野に応用が きくと思うので、どんどん吸収していきたいと思ってます。今後もよろしくお願い します。

参加体験記:MAIKO

活動形態:演劇ワークショップ
記述時期:参加2ヶ月後
参加期間:2002年5月―7月
報告提出日:2002年8月12日


ワークショップで感じていること。 
〇「すばらしいわ〜」(ファリファリ・ベーシック2)はどんな言い方をしても良い し、一言でまわせるので、出しやすいし、次に出る自分や他の人の声が楽し みで、どんどんわくわくしてくるので好きです。

〇皆で空間を造って行く、空間構成が一番好きです。動く絵を作るみたいです ね。自分が入る前の"絵"を見ている時や自分がある部品(?)になっている 時は集中しやすいのでやっていて楽しいです。

〇【ファリファリ】は苦手です・・・。自分の身体が使えないのがすごくわかりや すいので。腰が落ちなくて変に力が入っていたり「もう少し大きく動きたい!」と 思ってもバランスをくずしたり・・・。「サロメ」のあれ位の長さの台詞でも、なん だか"話す"という意志が追い付かず、気付くとただ"喋って"いるだけになって しまう時があったりします。見せて頂いたビデオ等だと、一人しか話していない のに、ものすごく引きつけられてしまうのに・・・。私はそうとう集中しなくて は!!と思ってます。

〇7月4日にやった、マン・ツー・マンの動き(あれも【ファリファリ】ですか?) も、すごく大変でした。テンションが高い方だと「すごい!楽しい!!引っ張っ てもらっちゃってる・・!!」という感じなんですが、自分からエネルギーが出せ ないので「あ、テンション出せない・・・」と感じたらもう「どつぼ」にはまって、ず ーーっと低い所で苦しんで終ってしまいます。(テンションが低いのは私のずっ と前からの課題なのです。)

〇ワークショップからの数日間は声の調子がよく、気持ちも落ち着いていま す。筋肉は疲れますが、背や背中などの固まりやすい部分が溶かされて身体 の調子もすこぶる良好です。よく「温泉に行ったのと同じだ!!」なんて言って ます。

参加体験記:T.SAKAI.

活動形態:演劇ワークショップ
記述時期:参加2ヶ月後
参加期間:2002年5月―7月

ファリファリに似たことは、三年前の朝日カルチャーセンター(註:朝日カルチ ャセンター立川で10年間開催された林による「演劇ワークショップ」講座)でも やっていた記憶がかすかに身体に残っているが、今回のように本格的なもの ではない。頭の中でこうしてやろうとか考えることなく、身体の内なる部分が求 めるように意識を探りながら動ければと思っている。五月以降、【ファリファリ】 をやっていて、身体自体が自分に何かを教えてくれる営みがある。テキストの 言葉が自分の中にすっかり入り、「次の言葉は何だっけ」と意識しなくていいと きは言葉の持つ力だけに意識を向けられる。最近では、前の人がやってい て、自分が入るタイミングがほんのわずか(きっと一秒にも満たない)だが、遅 れていることを身体が気付かせてくれることがあった。そういうときは、決まっ て高い意識で集中できているときだ。なぜ、その瞬間が持続したものにならな いのか。ほとんどの場合、別に他のことを考えているわけではないが、「この 姿勢きついな」とか、瞬間的に集中が削がれるときはうまくいかない。その日 の体調にも大きく左右されるが、それだけではない。「言葉の持つエネルギ ー」とか、声をかけられると自分の声の大きさや、スピードなどに思わず意識 がいく。そんな時もうまく行かない。

けれども、「なかなかいいぞ」と身体が感じるときはそういうこともきっと頭の隅 にはあるのだろうが、そんなことを考えるいとまもなく身体が反応していると き。

手先足先まで、全神経を張り巡らすことは、頭で何も考えないことではないの だろうけれども、その身体と頭の中の意識の微妙な境界が、自分の中で未だ つかみきれずにもがいている。きっと、自分の内なる意識の中をどれだけ深く 探るかと、その探っている自分を突き抜けるくらいの(忘却へと連れて行ってく れるぐらいの)身体の集中力によって・・・・。

参加体験記:S.FUJII

活動形態:演劇ワークショップ
記述時期:参加2ヶ月後
参加期間:2002年5月―7月
報告提出日:2002年8月12日


二ヵ月間ワークショップを体験して

「身体が自分の思うように動かない!!」というのが率直な感想です。役者と して活動することが二年間なかったことを差し引いたとしても、情けない話で す。自宅にて空いている時間を利用して、身体をいじめているところです。テ ンションをキープし続ける体力と、意識的に自分の身体をコントロールするた めの筋力を取り戻すことが第一目標だと感じています。

精神的な部分では、林さんと出会った二十歳頃に比べると、演劇に対して自 分なりに考え、方法論を模索しながら公演に携わってきた経験がある分、余 裕を持ってひとつひとつの事柄を検討できている気がします。例を挙げれば、 以前ワークショップに参加していたときには、とにかく上手くこなせるようにとい う感じで取り組んでいたのですが、今回は、これらをどうやって自分の中に取 り組んで自分の物にしていくかと考えるようになりました。また、林さんの企画 に関わっていくなかで、新劇とは違った表現者の方々と出会うことができたと いうこと、これも今回ワークショップに参加する上で非常に大きな経験になって いると思ってます。

僕の将来を考えた場合、役者としてよりも演出のほうに興味があるので、ワー クショップに参加していく中で演出の能力もレベルアップしていきたいと思って ます。僕は二十一歳の時に「FRAGILENOTE」を旗揚げし、僕が試行錯誤し ながら決定したトレーニングのメニューを約四年間、K君、Mさん達と共に行 なってきました。自分なりに工夫しながら役者として必要だと思われるトレーニ ングをやってきたつもりなのですが、今回のワークショップから参加しているK 君、Mさんに対して林さんがどのように感じてらっしゃるのか、僕個人としては 非常に興味深いところでもあります。


ワークショップをより意義のあるものにする為には、僕を含めた参加者のレベ ルアップが欠かせないと思うので、少しでも早く高いところにいけるよう日々精 進し、表現の可能性を広げていきたいと思います。

参加体験記:A.GOTOH

活動形態:演劇ワークショップ
記述時期:参加3ヶ月後
参加期間:2002年8月―10月
報告提出日:2002年11月12日


先週の木曜日(11月7日)のワークショップについてなんですが、空気がまず 違った!入った瞬間、「役者ドーム」みたいな気がしていつもより集中して始め ることができた。火曜日は悪い意味でその場に「慣れ」てしまっていたかもしれ ない。学校とワークショップは別世界と感じていてもどこかで慣れてしまった仲 間の空気があった。木曜日に参加して空気の違いを一番感じた。わたしも林 さんに言われた【意識】の違いもあったのかもしれない。以前ヴェローチェにて 行われたワークショップ後の会議にいらした平野さんが、今にいたるまでの人 生をすこし話してくれました。平野さんは野球留学でアメリカに渡った、そして 日本での就職の道を選び帰国就職して辞めて芝居の道を選んだ。。。。かっ こいいです。わたし達は、T学院というひとつの枠にきっかり収まっていて何か を犠牲にしてまで芝居をやっていこうなんて考えている人が果たして何人いる か?学校にいるという安心感がなんか駄目な気がします。。。話がそれてきて しまった。。。

ファリファリをやったりすると、周りに流されるのではないけれど、その場のエ ネルギーが身体に入って、内側から自ら創るエネルギーにプラスして外部か ら入ってくる、自分とはまったく異なったいつもと違う言い方・動かし方・出てい るエネルギーをうまく身体に取り入れることによって生まれる表現の仕方を学 べます!なのでいつもと違う木曜日メンバーとファリファリをやると「こういうの もあるんだ!」「こういう表現もあるんだ!!」とたくさん刺激を受けました。そ して林さんがお話してくれた自分の「引き出し」を持つこと。わたしにはまだ確 りした引出しがありません。ファリファリをやり、自分の身体/内側についても っとさらけ出し、引出しを創るというか、引出しを創れる段階までもっていきた いと思います!!同じ空間にいてメンバーから受ける刺激はとても新鮮でし た。特にファリファリ・サークルをやっていて、入り方・台詞の持っていき方がと ても興奮した!桑原さんはとても吸収したいことがたくさんありました。自分の 「引き出し」をたくさん持ってるなと。。。

本日(11月11日)のワークショップにつきまして、身体のほぐしで、自分の身 体について段段理解できるようになってきました。前はただがむしゃらに突っ 走っていて、「うまくなりたい、精一杯やろう!!」ってだけでファリファリをやっ ていました。精一杯の気持ちはかわらないのですが、最近、「脱力」の仕方が わかってきて自分の身体と会話することを覚えました。筋肉の緊張だけでの 動きから最近少しずつですが変化してきているのではなかろうかと思います。 今日やってみても全然駄目だったのですが、気持ちが先走らずに身体が自 然と動きたいほうに動くということだったのでうまくできなかったですが、何かつ かめました.!?

ファリファリ・サークルのほうは見学兼ビデオ係りだったのですが、もといた火 曜日のメンバーが、新たな人達も加わりテンションがあがっていてイイ方向へ と向かっていた気がした。一人二人テンションの高い人が加わるだけであんな にも変わってしまうのかと!目を疑った。人を入れ替えるだけでこんなにも違 いがでるのだとびっくりした。自分でファリファリをやっているとみえてこない部 分が見えてきた。その人の癖は勿論、「あっ、ここ入れるタイミングだ!」とか 「ここであげればいいんだ!」など感じました!「見るほうが見えてくる」・・・・本 当ですね。自分でやっているときも、もっと空間を感じて周りを見れるようにな ればいいのに・・と思いました。修行が足りないと思った次第です。


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