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第2回目の『ドール』の課題が出されてから試行錯誤の繰り返しで発表直前ま
で最終決定せずに迎えた今回の『ドール』でした。前回とは違うものを、と考え
るあまり創作を始めた当初は、自分達が何をやりたいのかさえ分からなくなっ
ていました。そこでまず自分達が今回どんな事をしたいのかを話し合い模索し
て行きました。
その中から出てきたものが「役者と観客との関係性」というものでした。観客
は役者の行動を観て思考し決定するものであり、自らから行動は起こさない
人形である、また役者とは行動も起こしその行動も自らの思考と決定によって
のものであるが既に決定している事柄に基づいて行動する操り人形でない
か。つまり役者と観客とは等しい意味を持つのではないかという考えが出て
き、これを今回の『ドール』で表現できないかと考え現状の自分達で作り出し
たのが今回の『ドール』でした。
テーマと言う壁を乗り越えそれを今度は形にしていこうという事で当初出てき
たキーワードが、この関係性をどうにかして無くす事が出来ないかという考え
の基、破壊、罵倒というものでした。その考えで作った今回の『ドール』、おお
まかにいうと前半シーンが芝居によって自分達が感じる「―般に考えられる今
の日本演劇」の疑問、批判を演じ、そのすでに全てが用意された芝居を行う
事で自分達役者の人形性を提示。そして後半で観客を無差別に選び1人役
者の元ヘ連れて来るという偶発的な空間で観客に観客の人形性について質
問して行くというものになりました。
そして流れやセりフは決まったものの今回最終的に決まった状態のモノをしっ
かりと1度も通さずに迎えた本番当日。通しの時間を貰っての最初で最後の
通し。通し終わった後正直自分の中にはそれまでで最高の不安感が渦巻い
ていました。そして本番、その直前まで感じていた不安を1度自分の中にしま
って自分が今回ー体なにがしたかったのかを考え直し挑みました。
実際に見た人にどう受け止められたのかは分かりませんが。改善点はあるに
しても自分ではやりきったと思います。前回の発表に続き今回も『ドール』をや
りまた色々考えらされいい経験になりました。しかし発表を終えて1番強く感じ
た事は何よりもこのメンバーとまた違うモノを作ってみたいという思いでした。
合宿の感想
3日間、創作工房の準備に追われながらも楽しみながら充実した日々を過ご
す事が出来ました。普段のワークショップとはまた違うメンパー達と共に稽古
できた事が純粋に楽しかったです。初顔合せの方達からは今までに自分の中
に無かった新しいモノを吸収することが出来たし、久しぶりに合った仲間達も
それぞれ成長していてとても新鮮な気持ちで稽古に取り組むことが出来まし
た。
特に2日目の合宿参加者全員での基礎ワーク。室坂さんの楽器の生演奏も
あって本当に新鮮で充実していたなと感じました。意識をしていなくても体が動
くというか、動きたい衝動をどうコントロ―ルして動くというか、上手く言葉で表
現できないのですが今まで自分が知らなかったモノが自分の中に衝撃と共に
入ってきて自分の中の何かがどんどん変化していく様な感覚を党えました。本
当に貴重な経験をきせて頂きました。あの感覚をこれからも忘れないようにい
きたいと思います。
気付くと終わってしまっていた。そんな3日間でした。今回はこのような体験を
させて頂き有難うございました。
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