藤野合宿04
合宿リポート K.KUWAHARA
2004年度
【合宿全体の感想】

異なった年齢・性別。バラバラな価値観・歴史を持った人達が、木々に囲まれ た空間で創り事をする。レジャーではなく、共に考え、話し、立ち会った3日 間。

なんという刺激的な3日間だったろう。

合宿中、発表の時間が多くを占めるということが、当初は不満で、「もっとWS がやりたいのに」と思っていた。しかし、3日間で全ての作品を観終え、後に残 ったのは、ひとりひとりに対する理解だったと思える。

普段の人付き合いだと、なかなかその人の中身を知るまで時間がかかる。僕 の場合、Fメソッドも水曜クラスの人達とは毎週やっているわけではないし、話 す機会も少なかったので、ひとりひとりのモノプレイを観る事は100以上の会 話を交わした気がしたのだ。

もちろんモノプレイを観ただけでその人の全てが解るわけではないが、その人 (演者)の事をより多く語っていたのは確かだと思う。


僕は発表を最初に終えたため、2日目は10組のモノプレイの照明を担当する 事になったのだが(うひゃあ)、これも結果的に良かったと思う。

照明を行いつつ、後ろから作品を観るため、純粋に立会人として観る事はで きないが、リハーサル、そして本番を通して、作品(そしてその人)と関われる のは嬉しい事だ。(とはいえ、責任も大きい。1組、打ち合わせ不足から大きな ミスをしてしまった。本当に申しわけなく思う。)


また、月曜クラスの上田さんや酒井さん、間宮さん達とたくさんの話ができた 事も大きい。きっと、こういう時間はとても大切だし、必要なのだ。

そして、藤野の環境がそれを可能にしたと思う。夜になれば出かける場所もな く、娯楽施設も館内に無く、ケータイもほとんど通じない。だが、それに対する 不満の声は、僕はまったくと言っていいほど聞いていないし、僕自身も考えな かった。おそらく、必要性を感じていなかったのだろう。

もしも芸術の家の館内、または目の届く範囲にカラオケでもあったら、ものす ごい違和感を覚えるに違いない。まさに「ガッカリ」である。あの建物には自然 の中に建つという事への心配りがとても細かく、しっかりしていると思う。


忙しかったが、とてもリラックスした3日間。身体の中にたくさんのエネルギー を蓄えて帰ってくる事ができた。


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