|
S.KAWAI
合宿感想
私が初めて参加したのは二年前だが、やはり藤野で
の合宿は特別なものがある。
二年前は人数が多かった。そのためFサークルでは
空間がいくつもできあがり、その空間が作用し合い混
沌とした空間が作られ、鳥肌が立った。今回は人数少
なかったが、経験者が多いことと、それでもいつもの
WSよりも人数が多く、濃密な空間を味わえた。
四人一組の「すばらしいわ〜」」(F基礎U)は、いくつも
の空間があるため、作り上げているのは4人での空間
だが、周りのテンションが上がるとこちらも上がるとい
うように、周りの声によって作用されていることを感じ
た。また、集中力が切れてしまうと、声が同化してしま
い、うまく流れが作れないことを感じた。
Fサークルでは見る人が多いことに普段との違いがあ
った。いつもはいるメンバーで作り上げることが多いた
め、見られることをそんなには意識していないが、どう
しても見られるということを意識してしまう。自分の内
圧を上げぶつけ合うのがサークルだと思うが、エネル
ギーを発散するだけではなく、シャープに全体をとらえ
て自分の位置を調整するということに対しては、見ら
れているという観客からの立場も必要だと感じた。
モノプレイはまさかすることになると考えていなかった
が、何もしないで帰れるはずがなかった。
もともと追い込まれることが好きなタイプではあるが、
藤野での追い込まれ方は普通の生活をしていても到
底味わえるものではなく、自分を成長させるための大
きな壁だと考えた。今思えば展開の仕方に思考の余
地があったと感じる。その経験を繰り返していくことで
思考の深まりが出てくると思うので、やはり逃げずに
取り組んでいきたい。この経験をプラスにするが、傲
慢にはならないように自ら律していきたい。
試演会の感想
四人組創作
はじめの三人の女性の立ち位置や自分のシーンへの
入り方は面白かった。
男性が最初にいないというのは良いが、どう関わって
いくかもう少し工夫があっても良かった。
赤いボールが唇や血や心臓などいろいろ想像させ
た。
時計の動きを連想させた。
動きの方が何かを伝えよいとしている部分が多いが、
台詞が入るとわかりにくくなると思った。
言葉としての力は竹田さんの台詞が一番伝わった。
矢部さん『ドッペルゲンガー』
鏡を周りにおいたのはとても印象的だった。
引用と自分の言葉とをもっと分けて使った方が、内面
と外面の違いのように対照的になった気がする。
人から見られている自分や変えようとしても変えられな
い自分。そんな気持ちが伝わってきた。
岸さん『夢のつづき』
ラジオから流れる声とバットの素振りから狂気を感じ
た。
ただ、変化があまりなかった、狂気がぼやけてしまっ
たように思う。
バットを違う物に見立てて使っても良かった。
バットはストレートに破壊衝動とかに結びつきやすそう
なので。
佐藤さん『無題』
抽象的でよくつかめなかった。
円の中に小さく収まるよりも、もう少し広く使った方が
良かったと思う。
酒井さん『サイレンス』
場面ごとに伝えようとしていることは分かりやすかった
が、一貫して何を伝えているのかというところまでは分
からなかった。後で話を聞いてなるほどと思うことがた
くさんあった。
自分が受けた感想では、日本人の何でも合わせてし
まうという体質や文化への皮肉と感じた。
江口さんが登場したり、横山さんの台詞が入ったりと
それもありかとやられた。
吉田さん・江口さん『フランドン農学校のぶた』
一つ一つのシーンの組み立てがおもしろかった。競馬
のあたりにぐだぐだとしてしまうところもあったが、全体
的にメリハリがあって良かった。
原作未読のためわからないところもあるが、豚の話か
らリンクしていってふくらんだものが「小龍包」というの
が、無理矢理かなという気はした。
ジェットコースターのように楽しめた。
|
|
|